オムロン発・81社が参加する「経理を面ろくする会(経面会)」 20年以上つづく異色の経理コミュニティ
「面ろい」の連鎖反応が作る未来の経理業務 20年以上も熱量高く活動してきた経面会のつながり
長年にわたり育まれてきた商人文化に根ざした、独特のコミュニティ活動が展開されている関西地区。中でも、経理部門で働く人たちを対象に、2002年から活動を続けてきたのが「経理を面ろくする会(経面会)」である。ライバルだからと、手の内を明かさないのではなく、オープンな情報交換を通してお互いを高め合う場にできたのはなぜか。発起人で現在も幹事を務める、オムロン 佐々木正男氏に聞いた。
「面ろい」にこだわり立ち上げた経面会 20年以上にわたり活動
始まりは一通のFAXだった。関西地区にある企業100社の経理部長宛に、佐々木正男氏(オムロン株式会社 グローバル理財本部)が「集まって、話をしませんか?」と呼びかける案内状を各社の代表番号宛に送ったのがきっかけだ。今ならば廃棄されて終わるところだが、当時は2002年。会の趣旨に16社からの賛同を得て、2002年11月に「経理を面ろくする会(経面会)」の活動が始まった。
第1回の参加者は33名。現在に至るまで、3ヵ月に一度のペースで活動が続いている。会員の紹介を通して次々に参加企業を増やし、2026年3月時点の会員企業は81社、会員数は800人超にまで成長した。発足当初は関西圏の企業が中心だったが、関東や九州を本拠地とする企業も加わることで活動範囲も拡大していき、これまでに実施した会合は計58回。テーマが毎回変わるため変動はあるものの、常に10人以上が参加し、時には20名を超えることもある。男女問わずに若手から退職したベテランまで、幅広いメンバーが参加しているという。
経面会発足にあたり、なぜ「面ろく」だったのか。佐々木氏は「関西弁にこだわりたい気持ちがあった」と理由を説明した。たしかに、ここでの「面ろい」には「好奇心が刺激される」「役に立つ学びがある」といったニュアンスが感じられる。お堅いイメージのある業務だからこそ、少しくだけた感じにもしたかったという。経理担当者は多くの作業に追われて疲弊している。会の発足当初は、若者の退職増も問題視されていた。
「経理の仕事をつづけると、こんな“面ろい”ことがあるのだと若手に感じてもらい、優秀な人材が組織に定着するようにしたかった」(佐々木氏)
先述した案内状の内容は、「会計ビッグバン」は別として、2026年現在も古びていないことに驚かされる。「経理部門は作業集団」「集計ばかりではなく、経営や事業に貢献する提案をしてほしい」、これらは今も変わらない経営層の本音だろう。さまざまなデータを分析できるようになったものの、分析自体が作業になってしまう。問題の形は変わったものの、経面会は一貫して経理業務を面ろくすることに取り組んできた。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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