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IoTとIndustries4.0を支援するテラデータ


 3月5日に開催された「TERA DATA UNIVERSE」では共同社長のハーマン・ウィマー、プレジデントのスコット・ナウら幹部が来日し同社の抱負を述べた。

アナリティクスとマーケティング・アプリケーション分野にフォーカス

 ハーマン・ウィマーは、これまでヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋地域から構成される「インターナショナル・リージョンのプレジデント」を務めていたが、2/27日付で、テラデータ・コーポレーションの「データ分析部門の統括する共同社長」に就任した。同氏によると、テラデータの2015年の業績予測は、27億3,200万ドルとなり、為替変動の影響を除くと、前年同期に比べ3%の増加となるという。堅調な成長を支えるのは、金融(売上構成比31%)、通信(19%)、小売(14%)、製造(13%)などである。  

 すべての市場分野でTOP20にはいっており、「テラデータのビジョンの完成度は他社からリードを広げ、実行能力でも大きな差を付けた。生産需要を満たすために継続的な技術強化を行っている」とウィマー氏は語る。

 戦略の焦点は、ビッグデータ・プラットフォーム、統合アクティブ・データウェアハウス、ワークロード特化型分析プラットフォーム、ディスカバリー分析、Hadoopポートフォリオなどだ。同社の考えでは、クラウドとオンプレミスのハイブリッドこそが現実的なシナリオであり、「2年後には、ほぼすべての企業がハイブリッドを採用する」と語る。

 こうした観点から、テラデータはここ数年、積極的に買収を進めている。特に昨年2014年はHadoop関連のビッグデータコンサルティング企業の「Think Big」を買収するなど、「Time To Market」(より早く市場に出す)ということに主眼を置いている。

 またヨーロッパを中心に起きている「Industries 4.0」の代表的な企業であるジーメンス、BMW、Valmetなどの製造業では、パートナーまでも含んだ情報共有・分析プラットフォームの構築を行っていることを語った。

データ分析が中核の、データ主導型ビジネスの時代に

 テラデータといえば以前は、エンタープライズ・データウェアハウス(EDW)といった統合型のデータ分析・活用基盤を提唱していたが、ここ数年の環境と市場変化により、より複合的で異なる技術を結合するソリューションへと転換してきている。

 プレジデントのスコット・ナウは、「IoT(モノのインターネット)の進展、非構造化データなどが増えてきている。ユーザーは異なる種類のデータを意識しないで、ひとつのワークフローで分析業務をおこないたいというニーズがある」と延べ、新たなTeradata Aster AppCenter とビッグデータ・アプリを提供すると述べた。

 今後提供されるビッグデータ・アプリでは、顧客獲得およびリテンション、不正検知、購入経歴、マーケティング最適化などを支援するように設計され、ビヘイビア・アナリティクス(行動分析)が有効に作用する業界向けに開発されたという。

 また続いて登壇した、日本テラデータ代表取締役社長の吉川幸彦氏は、「ビッグデータは金の鉱脈と言われてきたが、実際に掘り続けてみると金の含有率はそれほど高くなかった。どこを掘るかという鉱脈を探す技術と、いかに早く鉱脈を探すかということが重要」と語り、データサイエンスチームの体制を強化し、企業の分析能力の向上を支援することを発表した。

写真左から、テラデータ・コーポレーション 共同社長 ハーマン・ウィナー/日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦/プレジデント、テラデータ・ラボ スコット・ナウ

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

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