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X5登場、今度のExadataは「DATABASE IN-MEMORY」だ


 Oracleのフラグシップモデルと言えば、Oracle Exadata Database Machine。この最新版となるX5が、2015年1月から提供されている。HP製のハードウェアのV1が登場したのは、2008年9月のOracle OpenWorld San Franciscoの会場だった。後にSun Microsystemsの買収があり翌年にはSunベースのV2が登場する。以降はほぼ1年ごとにX2、X3、X4と着々と進化し、今回新たにX5の誕生となった。

着実に進化を続けるOracle Database Machine Exadata

 V1が登場した頃のスペックを見ると、CPUは64コア、ストレージ容量168テラバイト、メモリー容量は256ギガバイトだった。当時はフラッシュストレージはまだ使われていない。今となってはミッドレンジサーバーくらいのスペックだが、発表時には相当なモンスターマシンに感じたことを明確に憶えている。最新のX5は、CPU 288コアにストレージ容量は672テラバイト、メモリー容量は6,144ギガバイト、つまりは6テラあまり。V1にはなかったフラッシュストレージは89.6テラバイトの容量を搭載できる。

 Exadataハードウェアの世代比較 
Exadataハードウェアの世代比較 

 V1当初はデータウェアハウスのワークロードを高速に処理するものだったが、今は1つのデータベース・マシンであらゆるデータベースのワークロードを支えることが売りだ。そんなX5の強化ポイントとしては、高速なオールフラッシュ・ストレージ・サーバーを搭載したことがまず挙げられる。1ラックあたり最大230テラバイトの容量を搭載可能で、最大で1秒間に263ギガバイトのデータスキャンが可能となる。

 もう1つの強化ポイントは拡張の柔軟性が増したことだ。1ラックの中で必要に応じデータベースサーバー、ストレージサーバーを1台ずつ追加できるようになったのだ。地味な変更に見えるが、この変化によるユーザーメリットは高い。

 これにより、インメモリーを活用するためにより大容量メモリーを積める構成にする。あるいはフラッシュストレージを増やし、ディスクからの読み込みボトルネックをさらに解消する。または、大規模データウェアハウス用途などでストレージをさらに積んでより膨大なデータ容量に対応できるようにするといった、要件に応じた構成が可能となった。これまでExadataは自分たちの要件にはオーバースペックだと躊躇していた場合などにも、目的に応じた構成をとることで最適化できることになる。

 ワークロードに最適化した構成の例 
ワークロードに最適化した構成の例 

 もう1つのポイントが、仮想化手法としてOracle VMをサポートするようになったことがある。Oracleとしては引き続き複数データベースを統合する方法としてはOracle Database 12cのマルチテナント機能を推奨する。この方法が「効率も一番良いです」と語るのは、データベース事業統括 製品戦略統括本部 プロダクトマーケティング本部 Database & Exadata推進部 シニアマネジャーの岩崎 護氏。今回あえてOracle VMに対応したことで、OSごとに分割して複数データベースをExadataで動かせるようになった。

 「分離性を高めるために仮想マシンにも対応しました。この方法はリソース効率はよくありませんが、セキュリティゾーンを作りたいといった要望に応えるためのものです。たくさんのデータベースを使いたければ、引き続きマルチテナント機能をお勧めします。これらの方法は要件に合わせ、うまく組み合わせて使うべきものです」(岩崎氏)

岩崎 護氏
岩崎 護氏

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X5ですべての処理がインメモリーで超高速になるわけではない

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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