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育休からの復帰でテレワークを最大限に活用―日本マイクロソフト 村木麻弥さん

 数字で結果の出しやすい営業職や、元々電話などリモート対応が多いカスタマーサポート職などは、テレワークが導入しやすいと言われる。一方で、マーケティングは打ち合わせも多く社内で作業をするのが普通、成果も見えにくいことからなかなかテレワークを活用しにくいと思われている。テレワーク、リモートワークで先進的な取り組みをしている日本マイクロソフトでも、そんなイメージはあったとか。しかしながら、そのマーケティングの仕事でテレワークを使いこなし活躍しているのが、日本マイクロソフト コンシューマー&パートナーグループ OEM統括本部 マーケティング部 シニアマーケティングスペシャリストの村木麻弥さんだ。

(編集部:本インタビューは2016年3月末に実施したものですが、8月30日に日本マイクロソフトから2016年のテレワークプロジェクトである「働き方改革週間 2016」の実施に関しての発表がありました。)

「テレワークがなければ育休からの復帰はなかった」

 日本マイクロソフト コンシューマー&パートナーグループ OEM統括本部 マーケティング部 シニアマーケティングスペシャリスト 村木麻弥さん
日本マイクロソフト コンシューマー&パートナーグループ OEM統括本部 マーケティング部
シニアマーケティングスペシャリスト
村木麻弥さん

 WindowsやOfficeなどのソフトウェアを、あらかじめPCにインストールしてもらう。そのためにPCメーカーにライセンスを提供する事業部の、マーケティングの仕事をしている村木さん。PCメーカーであるOEM各社と一緒になって、PC市場を拡大するのがOEMマーケティングの仕事だ。

 村木さんの日々の仕事では国内10数社あるOEMメーカー各社とのやりとりも多く、メーカーを担当する社内営業との打ち合わせも頻繁にある。さらにWindowsやOfficeなどの製品マーケティングチームとも共同で動くことが多い。また、OEMチームではライセンスの取り決めのために本社とのやりとりが必要になり、メーカーと本社の間に入って調整することも多い。

 そんなOEMマーケティングの部署で、村木さんはすでに3年を超える期間仕事をしている。じつは、途中1年半ほどは産休、育休も取得している。忙しい部署にいても、村木さんは普段、定時終了時間までオフィスにいることはほとんどない。それを可能にしているのが、テレワークの最大限の活用だ。

 育休期間を終え職場に復帰する際は、子どもを保育園に預けることになるのが普通だ。

 「通勤時間が1時間15分ほどかかり、保育園まではさらに時間がかかります。18時までに迎えに行くには、オフィスを16時半に出ても走って駆けつけることに。在宅勤務制度などのテレワークを活用できてはじめて、なんとか職場復帰できる状況でした」(村木さん)

 村木さんは、基本的には子どもの生活時間のペースを守るようにしている。なので迎えに行って帰宅し、夕食を食べさせ子どもを寝かしつけるまでの間、家で仕事をすることはほとんどないという。

 「寝かしつけた後に時々仕事をしますが、子どもと一緒に寝てしまうこともあります」(村木さん)

 家で仕事をしなければならない時には、朝早くに行うことが多い。米国本社とは、そのほうが時差を合わせるのにも都合が良い面もあるのだ。

マーケティング部門でもテレワークは活用できる

 マイクロソフトでも、以前はマーケティングではあまりテレワークは使われていなかった。なので、育休からの復帰でテレワークを使う際には、本当にテレワークで仕事ができるのか多少不安もあった。とはいえ、OEMマーケティング以前の職場も、直属の上司が米国本社にいる環境だったこともあり、海外とのリモートなやりとりには慣れていた。なのでフェイス・トゥ・フェイスでなければ仕事が進まない、そんな考えは持っていなかった。

 アイデアを練ったり、1人で集中して資料作りをしたりといった際には、テレワークが向いていることも分かっていた。

 「マーケティングだからテレワークがやりにくいことはないと思っていました。しいて言えば、日々関わる人が多いので集まってディスカッションする際に自分だけ電話会議で大丈夫なのかが不安でした」(村木さん)

 ところが実際に始めてみると、技術の進歩もあり資料のリアルタイムな共有も可能、必要であればビデオ会議などで密なコミュニケーションも取れる。会議へのリモート参加で、なんら問題がないことが分かったのだ。

 現状、マーケティングの他のチームメンバーも、集中した仕事をしたい際には週に1回程度テレワークを活用している。つまりは、マーケティングでも日常的にテレワークが浸透しつつあるのだ。介護や子育てなどのテレワークを活用せざる得ない事情がなくても、日常的にテレワークを活用する。そういう環境であれば、後ろめたい思いをすることなくテレワークを利用することできる。

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通勤時間分を有効活用できれば仕事や生活にゆとりができる

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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