米国の経営者はアプリケーションの価値を重視
CA Technologiesはメインフレーム管理やシステムの運用監視、管理系ソフトウェアを提供している。近年ではアプリケーション・エコノミーというコンセプトを打ち出しており、アジャイル開発、DevOpsのソリューションに注力している。今回のクリス・ロウェット氏の来日は、日本の企業に対するDevOps製品の普及を目的としたものだ。米国で急速に進んでいるのは「デジタル変革」だとロウェット氏は言う。
「かつて街中にあった銀行の支店は今ではすっかり減っています。銀行の窓口は10数年前にWebになり、今ではスマホアプリになっているのです。これがデジタル・トランスフォーメーションです。自社サイト、クラウドサービス、アプリケーションが企業の命運を左右することを、世界中の経営者は気づいています」
新しいソフトウェアを開発したいと考えたとしても、3ヶ月以内にそのソフトウェアの企画を承認し、開発を進めユーザーに導入できる企業はわずか8%に過ぎないという独立調査会社の報告を、ロウェット氏は紹介する。
さらに94%の企業の経営者(CEO)は「アプリケーションのリリース期間の短縮圧力が高まっている」と考え、3分の2のビジネスリーダーは「事業の将来性はソフトウェア品質に関わる」と実感していると言う。
ではデジタル変革と、これまでのIT化では何が違うのか、ロウェット氏は次のように語る。
「常にソフトウェアを更新していくことです。スマートフォンのアプリだけでなく、自社の事業をサービス化するアプリケーションやWebシステムなどを柔軟で迅速に作るプロセスを持つことが、顧客満足やブランドの優位性をもたらします」
この「常に更新するプロセス」を内包するソフトウェア開発に必要なものとして、3つの柱をロウェット氏は掲げる。