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ファシリテーションで会議を変える

パワーポイントを紙芝居に貶めたのは誰なのか? ~会議資料を作る正しいアプローチ~

第5回


プレゼンツールが一般的に普及する一方で、それを使いこなせている人は実は多くないかもしれません。おそらく皆さんも、「何が言いたいのかさっぱりわからない」スライドを見せられたことがあるはずです。本稿では、ひどいプレゼンをしないために、把握しておきたいポイントを解説します。

パワーポイントを紙芝居に貶めたのは誰なのか?

 「この会議資料が何を伝えたいのか全然分からない・・・・・」

 そんな場面をあなたも経験したことがあるのではないでしょうか。そもそも会議資料というのは、会議の場で議論をスムーズに進めるために用意するものです。にもかかわらず、会議の主題に合致するわけでもない図表や、とりあえず貼り付けてみたようなグラフなど、何の足しにもならない情報で溢れた会議資料のなんと多いことでしょう。

 例えば、次に挙げたものは私がこれまでに見た「これはひどい」と思った資料の内容です。

     

  • 某小売業会社の部内定例会用の会議資料

    1枚目のスライドに自社と競合他社の過去売上を記したグラフ、
    2枚目のスライドには両社の主要製品の写真が切り貼りされているだけ、
    そして3枚目に今後の展望を簡単に述べた文章が2行ほど書かれていた。
     

  • ある製品ベンダーのクライアント向け製品説明会用の資料

    対象製品の画面コピーが切り貼りされているだけで、
    文章による説明や記述の補足がまったく無い。
     

  • 某SIerのシステム構築提案書

    システムの物理構成図とアプリケーション機能図がスライドに描かれているだけで、
    システム運用業務の変化やユーザへの影響は一言触れてあるだけ。
     

 これら3点のいずれにも共通しているのは、伝えたいと思っていることを文章に託すのではなくポンチ絵、図表、画面イメージで表現するに留まっているということです。資料に目を通しただけは理解できないというのは、語り部がいないと伝わらない”紙芝居”のようなものでしょう。

 パワーポイントで作られる会議資料が”紙芝居”に成り下がっている大きな理由は、文化的背景に起因するところが大きいと言われています。欧米人はローコンテクスト(言語中心)文化、日本人はハイコンテクスト(感情中心)文化だと評される通り、日本人が作成する資料は言葉で十分に説明するのではなく、視覚的に理解することを主眼に置いたものになりがちです。このため、例に挙げたような資料を作ってしまう人が多いのです。

 特に、ワード文書やエクセル文書よりもパワーポイント文書にこの傾向が多いのは、特に難しい操作も必要なくグラフィカルに資料が作れてしまうという製品の特性があるからでしょう。昨今、パワーポイントやKeynoteなどプレゼンテーション製品をことさら貶める発言を散見しますが、そもそも単に資料の作り方が悪いだけでしょう。「匿名掲示板で問題発言が多発しているからインターネットは危険な存在だ」と主張しているようなものです。

 視覚的な理解を求めることは悪いことではありませんが、それだけに頼って資料を作成するのは良くありません。よく考えてほしいのは「会議というのは何のために行うのか」ということです。あなたが会議でプレゼンをするのは「何かを伝えるため」ではありませんか?

 自分の考えを文章に表して正確に伝える努力をすべきなのに、受け取る側の視覚的な理解だけを頼りにした資料を使って会議に臨むというのはおかしな話ですよね。会議の本質を理解していれば、視覚的な理解に頼ったハイコンテクストな資料を作ろうとは思わないはずです。

図1:説明なし図表
図1:説明なし図表
図2:説明あり図表
図2:説明あり図表

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一流のプレゼン巧者はローコンテクストを必ず抑える

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この記事の著者

吉澤 準特(ヨシザワ ジュントク)

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https://enterprisezine.jp/article/detail/911 2008/12/17 10:02

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