
前回のレポートでは、ファーウェイのクラウド戦略について、パブリッククラウドの展開、プライベートクラウドの構築といったハイブリッドクラウドを手がけることができるのがファーウェイの強みとして紹介した。今回は、「ファーウェイ コネクト2017」で発表された、ハードウェア、ソフトウェア、データ、接続、アーキテクチャ、ハイブリッドクラウドの各領域における6つのソリューションを紹介する。
Atlas:ハードウェアのイノベーション
AIやハイパフォーマンス・コンピューティングといった膨大な演算能力を必要とするパブリッククラウド構築を実現する、インテリジェント・クラウドハードウェアプラットフォーム。
インテリジェント・クラウドハードウェアプラットフォーム「Atlas」
証券会社等のミリ秒レベルでのトランザクションが要求されるケース、あるいは監視カメラの映像分析等セキュリティの観点から社外に情報を保管できないケースにおいては、パブリッククラウドよりもプライベートクラウド構築を選択するというケースも存在する。こういったケースへの回答策がAtlasだ。
AtlasはNVIDIA製のGPUや、FPGA、ストレージ等のリソースプールが実現できる。従来型のx86サーバ十数台分の処理能力を一台で実現できるという。また35度の環境でも動作するため、冷却に必要な設備投資を削減できる。
従来型製品との比較のためにH.265のCodec処理が実演されたが、AtlasではCPU負荷がほとんど上昇しなかった。
Atlasのデモ
DevCloud:ソフト開発のイノベーション
ファーウェイクラウド上で動作するアプリケーション開発用クラウド。プログラム不要で高度な業務アプリを開発することができる。
DevCloudの開発画面
画面左側には機能を示すアイコンが並んでおり、必要な機能アイコンを右側にドラッグ&ドロップしていくことで、ビジネス・プロセスを定義していく。上の写真では伝票をスキャンし、OCRを実施し、文字解析に基いて適切なアクションを実施するというビジネス・プロセスが記述されている。なお、現段階ではUIは中国語のみとなっている。
ファーウェイの社内業務アプリケーション開発にも利用されており、ファーウェイ社のサプライチェーンの伝票処理等はこのDevCloudで開発されているという。
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大元 隆志(おおもと たかし)
ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、 技術者、経営層、顧客の3つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。講談社 現代ビジネス、翔泳社EnterpriseZine、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所有資格:米国PMI認定 PMP、MCPC認定シニアモバイルシステムコンサル...
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