SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

Security Online Day 2017 イベントレポート

サイバー攻撃防御で今後重要になるのは「業界全体の情報共有」と「攻撃者目線によるリスク予測」だ――日本放送協会 情報システム局、熱海徹氏が解説

今後期待される「業界全体の情報共有」と「攻撃者目線によるリスク予測」

 情報セキュリティの防御を考えた時に、どう考えても攻撃側に比べて不利であることは明らかだ。事業との兼ね合いで、コストを鑑みればセキュリティ設備などを常に最新にできるわけではない。既存と最新版を組み合わせてシステムを構築する他なく、常に現状のままでは不安を持ち続けているというのが実状だ。

 それでは防御側がどうしたら優位に立てるのか。そこで熱海氏が重視しているのが「企業や組織同士による連携」だ。各組織の把握した攻撃情報をほぼリアルタイムで相互共有し、インテリジェンスを統合できれば、攻撃数を低く抑えられる可能性がある。攻撃の成功率が低くなれば、結果的に攻撃者のコストアップにつながり、狙われる確率は格段に下がるだろう。

 そうした思いもあって設立されたのが、情報共有分析センター(ISAC:Information Sharing and Analysis Center)である。1998年にアメリカで大統領令により設置され、現在19業界が属する。「分析」と名についているが、基本的には「情報共有」が主目的だ。通常、同業会社は共通の攻撃手法で狙われることが多い。そのパターンを見出し、同業者に周知すれば、速やかな対策が可能になる。現在、自動化を進めており、共有した情報を自動的に配信するプラットフォームづくりが進行中だという。

 今後の対策として「近年、すべてのリスクを洗い出す作業はますます難しくなってきている。穴を見つけてふさぐというより、攻撃者の目線で『新たな弱点を見つける』という発想が必要」と述べ、攻撃専門対策チームの設置を示唆すると同時に、「さらに攻撃の情報だけでなく、つかんだ予兆や攻撃の気配などを企業間で情報共有する仕組みも重要になる」と業界ごとのISAC CSIRTの設立、活性化に対する期待を語った。

  最後に熱海氏は「発信のないところに情報は来ない。情報をもらいにいくというより、積極的な情報交換が必要です。個人的なつながりでコミュニティの信頼関係は作れても、それを組織間に浸透させるにはどうしたらいいのか、皆さんとともに考え続けたい」と語り、結びの言葉とした。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
Security Online Day 2017 イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伊藤真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/9902 2017/10/16 06:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング