2016年~2021年の年間平均成長率は5.2%、2019年には3兆円を超える
2017年の国内ソフトウェア市場は2兆8,367億4,500万円、前年比成長率が4.9%とIDCでは予測している。大分類市場別では、アプリケーション市場が前年比成長率5.2%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が前年比成長率5.8%、システムインフラストラクチャソフトウェア市場が前年比成長率4.0%となった。
アプリケーション市場は前回予測(2017年5月時点)の3.0%から2.2ポイント上方修正した。SaaSでの成長が著しいコラボレーティブアプリケーション市場(前年比成長率7.4%)、コンテンツアプリケーション市場(同6.9%)、CRMアプリケーション市場(同6.7%)が成長を牽引するとみている。
働き方改革に対する取り組みが活性化しており、特にeメールアプリケーションや会議アプリケーション、ファイル同期/共有アプリケーションなどのSaaS型コラボレーティブアプリケーションに対する需要がより一層高まっていくとみられる。
国内ソフトウェア市場は、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)5.2%、2019年に3兆円を超え、2021年には3兆4,897億円に達するとIDCでは予測している。また、大分類市場別の2016年~2021年のCAGRはアプリケーション市場が5.3%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が6.7%、システムインフラストラクチャソフトウェア市場が4.2%とIDCでは予測している。
2021年には17.4%をSaaS/PaaSのパブリッククラウドサービス売上が占める
2021年にはソフトウェア市場の約17.4%はパブリッククラウドサービス(SaaSとPaaS)の売上が占めると予測している。アプリケーション開発/デプロイメント市場では、ビッグデータ/アナリティクスやクラウドネイティブアプリケーションプラットフォームの需要拡大によりPaaS市場の高い成長が見込まれ、2021年にはおよそ25.4%をパブリッククラウドサービス売上が占めるとみている。
アプリケーション市場においても、働き方改革やビジネスのデジタル化を推進していくために、既存アプリケーションからSaaSへのシフトが今後より顕著になるとみている。さらに、企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の成熟度が高まっていくに従い、IoT(Internet of Things)やコグニティブ/AI(人工知能)システム向けのクラウドサービスの活用が拡大するとIDCでは予測している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーである入谷光浩氏は「これまでパッケージソフトウェアのみでは実現することが難しかったソリューションがクラウドサービスを活用することによって実現可能となり、ソフトウェアソリューションの適用領域が拡大している。ITサプライヤーは、既存パッケージソフトウェアからクラウドサービスへの移行に終始するのではなく、パッケージソフトウェアとクラウドサービスを組み合わせた新たなソリューションを提供し、顧客に対する価値をさらに高めていくことが重要である」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内ソフトウェア市場予測 アップデート、2017年~2021年」にその詳細が報告されている。