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日本企業は従来からのビジネスの延長線上で第四次産業革命を捉える姿勢が顕著――デロイト調査

第四次産業革命を自社が市場変革、開拓する機会と捉えていない

 日本および世界の経営幹部の大多数は「第四次産業革命が社会により多くの平等と安定をもたらす」と考え(日本:91%、全世界:87%)、また、企業は、社会に最も大きな影響を与えうると考えている(日本:公開企業70%、非公開企業:64%、全世界:公開企業74%、非公開企業67%)。

 自社が多大な影響を与えうる課題領域は、「顧客への最良の製品/サービスの提供」「短期的または、長期的な財務成績の向上」といった企業の従来からの役割に回答が多く集まっており、市場、教育、環境などの社会的課題に大きな影響を及ぼすと考える経営者は少数にとどまっている。

 特に日本の経営幹部はこの傾向が強く、「公正で開かれた市場の実現に向けた改革の推進」(日本:9%、全世界:24%)、「商品・サービスへのアクセス向上や低価格化などを通じた未充足ニーズへの対応」(日本:14%、全世界:19%)といった、市場環境の改善への影響についても他国企業よりも低い認識となった。(図表1)

図表1:「貴社は次の課題解決に影響を与えることができますか?」
「多大な影響を与えることができる」の回答(%)

最新技術を競争上の差別化要因と考えていない

 「最新技術は競争上の主要な差別化要因と考えるか」と尋ねたところ、日本の経営幹部の回答は「強くそう思う」5%、「そう思う」17%となり、全世界の回答(「強くそう思う」20%、「そう思う」37%)と比べて低い割合だった。最新技術に対する考え方は、第四次産業革命に備えるために、必要な投資に対する意欲の高さを表すが、日本の経営幹部の78%は「どちらでもない」と様子見の姿勢で、グローバル市場での成長に大きく水をあけられるリスクが浮かび上がった。

 また、日本の経営幹部が最も頻繁に議論したテーマを尋ねたところ、全世界と比較した日本の特徴が表れた。「市場変化への迅速対応」(日本:76%、全世界:49%)、「生産性向上」(日本:70%、全世界:56%)、「新製品・サービスの開発」(日本:51%、全世界:57%)といった従来の事業モデルの延長線上にあるテーマに多くの注意が払われる一方で、「他社の優位性の攪乱・無効化」を議論している日本の経営幹部はわずか12%であり、全世界の24%と比べて低い割合になっている(図表2)。全体として、第四次産業革命を見据えて根本的な変革や新たな競争を主導しようとする発想・姿勢が相対的に乏しい様子がうかがわれた。

テクノロジーを効率化に活用しているが、「労働力の変化」に注目した本質的な議論は尽くされていない

 高齢化や働き方改革を背景に、日本の経営幹部は調査対象国で最も多い85%が、従業員との関係が、契約による一時的、臨時的な雇用に変わる方向にあると見ている(全世界:61%)。また、実に75%以上がロボットなどの自律的なテクノロジーが人に代わる未来を予測している(全世界:50%以下)。

 しかし、人材採用・育成については他のテーマに後回しにされ、経営幹部が議論することは少なく(図表2 日本:2%、全世界:17%)、最新テクノロジーの活用についても、技術主導型の変化が組織構造と従業員に及ぼす影響について、計画し対処できると考えている経営幹部はわずか3%(全世界:7%)だった。他方、最新テクノロジーについては専ら従業員の効率性向上での活用に関心が向けられており、この点に関して組織として「高い能力がある」とした回答者が78%にのぼった(全世界:47%)。

図表2:この1年で最も頻繁に議論をしたテーマ(最大5つ選択可)(%)

 この調査は、フォーブス・インサイトがデロイトグローバルの協力の下、2017年8月にアメリカ、アジアおよびヨーロッパの19か国のCレベルの役員1,603名を調査。うち日本からの回答は100名。全ての回答者は、10億米ドル以上の収益を上げている企業(平均74億米ドル)で、10業種にわたる。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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