KDDIは、車や産業機械などさまざまなモノの通信接続において、国ごとに仕様が異なるIoT通信接続をグローバルで共通化し、IoTの通信接続からサービス展開、データ分析までサポートするKDDI「IoT世界基盤」を推進している。また、この基盤の核となる「KDDIグローバル通信プラットフォーム」において、各国の通信事業者を繋いだIoT回線管理を実現する重要な機能に日立の技術を採用した。
また、日立は、2016年5月に、自ら製造業として長年培ってきたOT(Operational Technology:制御・運用技術)とAIやビッグデータ解析など、最新のデジタル技術のITを融合したIoTプラットフォーム「Lumada」の提供を開始した。「Lumada」は、オープンでアダプタブルな特徴を有しており、さまざまなプラットフォームや各種業種向けのアプリケーションとの容易な連携を実現するという。
これまでに、電力や交通など社会インフラ分野や、製造・流通分野をはじめ幅広い分野で、国内外のさまざまな企業やパートナーと協創し、機器の故障予知による稼働率の向上、交通情報を活用した輸送計画の最適化といった500件を超える各種ユースケースを積み上げてきたという。
KDDIと日立は、KDDIのグローバル通信プラットフォームと日立の「Lumada」との連携をさらに強化し、日立の幅広い業容や実績を生かして、企業のグローバルでのIoT事業の展開を支援するとしている。
第1弾として、産業用インクジェットプリンターにグローバル通信プラットフォームを試験導入
今回、新たな協業の第1弾として、2018年7月から、日立産機システムがグローバルに展開する産業用インクジェットプリンターにおいて、グローバル通信プラットフォームを試験導入する。
産業用インクジェットプリンターは、食品などの製造ロット番号や消費期限などの印字を行う機器であり、日立産機製品の多くが海外で使用されている。印字品質の管理や製品の安定稼働の支援のために遠隔モニタリングの導入を図っているが、グローバルで安定的に導入するには、通信環境面で課題があったという。
グローバル通信プラットフォームを活用することにより、セキュアかつ高品質な通信環境のもと、データの大容量化にも対応可能となり、高品質な遠隔モニタリングのグローバル展開が見込める。将来的には、不具合の予兆管理などメンテナンスサービスの拡大やコストの低減をめざすという。
各社の役割
・KDDI
- 「IoT世界基盤」の推進
- 「グローバル通信プラットフォーム」の開発・提供
・日立
- IoTプラットフォーム「Lumada」と「グローバル通信プラットフォーム」の連携
- グローバル通信プラットフォームの主要機能の開発・構築支援