この調査結果から、日本企業のうち、5年以内に顧客の需要変化に対応するのに苦慮するだろうと感じている割合は46%、さらにデジタルトランスフォーメーションを組織全体に広げる必要があると考えている割合が66%もあることを明らかにした。
Intel社と共同で実施した「DT Index」では、大規模・中規模企業におけるデジタルトランスフォーメーションの進捗レベルを明らかにするとともに、ビジネス リーダー間におけるデジタルへの期待と不安を検証している。
「DT Index」は、中核となるデジタル ビジネスの属性の実現、現在のIT戦略、ワークフォーストランスフォーメーション戦略、計画している投資の各領域において、企業が認識しているパフォーマンスに基づいて算出されている。
2016年に実施した第1回の「DT Index」から2年、デル テクノロジーズとIntel社は調査範囲を16か国から42か国へ拡大し、4,600社のベンチマークを行った。各企業は下記のグループに分類される。
調査結果によると、下位の2グループに分類される企業、すなわち動きが遅すぎるか、デジタル プランそのものを策定していない企業の数が非常に多いことも明らかになった。
デジタルトランスフォーメーションの障害
調査によると、日本企業の88%が今日のデジタルトランスフォーメーションにおいて大きな阻害要因に直面している。
■デジタルトランスフォーメーションを阻害する障害トップ5
- 予算およびリソース不足(42%)
- 組織内のスキルおよびノウハウの不足(31%)
- 一貫したデジタル戦略とビジョンの不足(24%)
- データのプライバシーとサイバーセキュリティに関する不安(23%)
- ビジネスのスピードに見合う適切なテクノロジーの不足(22%)
これらの障害によって、デジタルトランスフォーメーションに向けた活動が阻害されている。例えば、日本のビジネスリーダーの66%が、デジタルトランスフォーメーションをより幅広く組織全体に広げる必要があると考えている。また、5年以内に破壊的イノベーションによる影響を受ける側ではなく、破壊的イノベーションを起こす側になっているだろうと強く考えている回答者の割合は26%だ。
さまざまな課題の克服
調査は、企業がそれぞれの障害を乗り越えるとともに、より機敏で革新的な競合他社の脅威に対する方策を進めていることを示している。ただし、これらの領域における進捗状況は遅く、ムラがある。これは、下記の結果から知ることができる。
■企業における課題への取組み状況
- 19%の企業が、新製品/サービスの開発促進にデジタルテクノロジーを使用(2016年から23%の減少)
- 25%の企業が、すべてのデバイス、アプリケーション、アルゴリズムにセキュリティとプライバシーを組み込み(2016年から7%の減少)
- 35%が、コーディングを指導できるスタッフなど、社内における適切なスキルセットおよびノウハウの構築に苦慮(2016年から13%の増加)
- 32%が、ITリーダーにはビジネス スキルを、ビジネス リーダーにはITスキルを身に付けさせることで業務を横断した知識の共有を実現(2016年から4%の増加)
また、企業はそれぞれのトランスフォーメーションのエンパワーメント(およびセキュリティ確保)のために、新たに登場しているテクノロジーとサイバーセキュリティにも目を向けている。
■今後1年から3年について予定している投資対象
- 51%の企業が人工知能(AI)に投資の意向
- 49%の企業がサイバーセキュリティに投資の意向
- 29%の企業がマルチクラウドに投資の意向
- 25%の企業がIoTテクノロジーに投資の意向
- 23%の企業がコンピュート中心のアプローチに投資の意向
また、少数ではあるものの有意な数の企業が、まだ発生段階にあるテクノロジーを実験する予定で、12%がVR/ARに、11%が商業向け無人航空機(ドローン)およびブロックチェーンに、8%が量子コンピューティングに投資すると回答している。