各市場ともに、認識精度の向上など技術的な進歩とともに活用用途の多様化が進みつつあることから、2017年度のAI主要5市場の合計売上金額は116億円、前年度比65.2%増と急速な伸びを示した。主要5市場の中で市場規模が大きく、今後の伸びが期待できるのが画像認識と言語解析になる。
画像認識は幅広い用途で導入が進みつつあるが、特に需要が高いのが製造業での検品と小売業での各種分析用途で、当面はこれらの用途が市場の伸びを牽引すると見られる。言語解析は、現状コールセンターでの活用を中心に導入が進んでいるが、今後幅広い分野に導入が広がると予想している。
AI主要5市場は、今後も継続的な伸びが見込まれることから、CAGR(2017~2022年度)は35.6%、2022年度には500億円に達すると予測している。
ITRの取締役/シニア・アナリストである舘野真人氏は、「2017年度は画像認識の実用化が進み、同市場の売上金額が前年度の約3倍となりました。2018年度以降も、工場での検品やインフラの点検・保守などを目的とした画像・動画データの自動識別のニーズは高まると見られます。また、構文解析やキーワード抽出、文章要約といった機能を提供する言語解析も、ビジネス現場での実用化が進み、主要5市場を牽引すると見られます」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:AI市場2018」に詳細が掲載されている。同レポートには、AI主要5市場を対象に、国内34ベンダーへの調査に基づいた2016~2017年度売上げ実績および2022年度までの売上げ予測が掲載されている。