2022年は支出額が多い順に製造、金融、情報サービス、通信/メディア、官庁/自治体
2018年の上半期の実績を反映した結果、2018年の国内エンタープライズストレージシステム市場規模は前年比3.9%増の3,336億4,600万円と予測している。また、2022年の国内エンタープライズストレージシステム市場規模は3,352億4,900万円で、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.9%になると予測している。
2022年において、支出額が300億円を超える主要な産業分野は、支出額が多い順に製造、金融、情報サービス、通信/メディア、中央官庁/地方自治体の5分野になった。2017年~2022年の支出額において、金融より製造のCAGRが高いことによって順位が入れ替わっている。
クラウドを通じたビジネスの拡大をどのように進めていくかが成長のキーポイント
また、情報サービスや通信/メディアは、他の産業分野のストレージ需要がクラウドサービスへシフトすることで、2017年に獲得した順位を維持している。クラウドサービス事業者は、主に情報サービスや通信/メディアに属すため、クラウドサービスへのシフトにより、これらの産業分野の支出が増加し、他の産業分野の支出は抑制される。
なお、クラウドサービス事業者では、ODM Directやサーバー内蔵型のストレージの採用によって規模の経済を追求し、価格競争力の強化へ取り組む事業者がある一方、外付型の採用によって、性能や信頼性による差別化に取り組む事業者もある。
そのためストレージベンダーは、どのようにクラウドを通じてビジネスを拡大していくか、再考すべきと考えられる。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストの加藤慎也氏は、「クラウドサービス事業者へ向けた外付型のストレージビジネスは、今後も市場成長に寄与する。ストレージベンダーは、顧客であるクラウドサービス事業者の成長によって収益を拡大していくため、産業分野ごとの知見やパートナーを活用した、産業特化型クラウドの構築支援を進めていくべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内エンタープライズストレージシステム市場 産業分野別予測アップデート、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。