この調査は、2018年11月から2019年1月にかけて世界19か国で実施された。今回の調査結果には、当該調査期間におけるグローバルでの経済成長鈍化の兆しや、不確実性の高まりといった景況感の変化が影響している。この調査では、各企業が効率性の向上によって、 いかにしてこの変化を認識しているかが明らかになっているという。
EERM(Extended Enterprise Risk Management)は、「委託先等を含む拡張された企業リスクマネジメント」を意味している。
2019年の調査に対する主な所見
EERMの対応策への投資不足に対する認識と、経済環境の不確実性への不安が相まって、以下の調査結果となっていると考えられている。
1. 経済環境とオペレーティング環境:経済の不確実性によって、コスト削減とともに、EERMに取り組むことが出来る人材への投資が必要と考えられている。
2. 投資:断片的な対応策への投資がEERMの成熟を阻害しており、特定リスクへの対策が不十分となっている。
3. リーダーシップ:取締役会と経営幹部は、より優れたメンバーの関与と協力、データのよりスマートな活用といったアプローチを支持している。
4. オペレーティングモデル:フェデレーテッド構造は、EERMの主流のオペレーティングモデルであり、センターオブエクセレンスとシェアードサービスを基盤としている。
5. テクノロジー:企業は、多様な事業部門にわたって、EERMテクノロジーの合理化および簡素化に取り組んでいる。
6. 下請業者と関連会社のリスク:サードパーティーの下請業者と関連会社がもたらすリスクの把握とモニタリングが不十分。