米IBMは、Watsonを活用したAIモデルおよびアプリケーションを組み込んだ「Watson Works」を、6月18日(現地時間)に発表した。本製品により、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンの後に出てきた、職場復帰に関する課題のさまざまな側面に企業がうまく対応できるよう支援する。
「Watson Works」は、IBM Return-to-Workplace Advisor、IBM TRIRIGA、IBM Watson Care Manager、IBM Maximo Worker Insightsの機能をベースとする製品で構成されている。データに基づく洞察を提供し、雇用者が職場復帰、施設管理、スペースの割り当て、その他の新型コロナウイルス関連の優先事項に関して情報に基づく意思決定を行えるよう支援する。
「Watson Works」を利用することで、無線LAN、カメラ、Bluetoothビーコン、携帯電話といった雇用者が提供するリアルタイム・データを利用して、施設を管理し、スペースの割り当てを最適化する。迅速なスペースの再割り当てや立ち入り禁止区域の指定、清掃の手配、混雑・ソーシャルディスタンス・マスク着用の監視などが可能になる。
また、地域の感染率と傾向、従業員が自主的に共有した症状や検査結果、従業員と家族の健康リスク、地域の規制など、さまざまなソースからのリアルタイム・データの収集と分析を容易にする。これにより、雇用者が従業員を職場に復帰させるべき時期や、特定のオフィスまたは職場を閉鎖すべき時期について、意思決定を支援する。
さらに、Watsonの自然言語処理機能を利用する仮想エージェントやアプリによって、授業員が新型コロナウイルス感染症や人事関連の質問を雇用者に行ったり、症状を自己申告したり、当日に職場へ出勤すべきかを確認したりできる。
ほかにも、検査結果が陽性であったことを従業員が雇用者に自主的に通知し、同意を示した場合に、インタビューやさまざまな情報ソースを利用できる。感染リスクがあることを通知すべき個人を特定し、プライバシーを保護するセキュアなシステムで症例関連の情報をすべて文書化し、雇用者が設計した症例管理ワークフローをトリガーして療養中の従業員をサポートする機能を用意している。