SAPジャパンは、伊藤忠商事が海外子会社約50社に、SAPの次世代ERP「SAP S/4HANA Cloud(エスエーピー・エスフォーハナ・クラウド)」を採用したと発表した。
伊藤忠商事は、前倒しで達成した中期経営計画「Brand-new Deal 2020」で掲げる“商いの次世代化”として、基幹システムの刷新プロジェクトを実施。その一環として、本社基幹システムを「SAP S/4HANA」へ移行し、2018年5月から本稼働を行っている。
今回の海外子会社における「SAP S/4HANA Cloud」の採用は、基幹システムの刷新プロジェクトのさらなる取組みとして行われた。本社の情報システム部門主導のもと、同社の多種多様な業態を擁する約50社の海外現地法人と事業会社を中心に実施される。
海外現地法人と事業会社の多くは2003年からSAP ERPシステムを導入しているが、度重なるカスタマイズの結果、さらなる機能拡張や機能強化が難しくなっていた。そのため、業務プロセス全体のデジタル化、イノーベーション創出のための機能拡張、堅固なプラットフォームの構築を目指して「SAP S/4HANA Cloud」の採用を決定した。
海外現地法人と事業会社へのシステム導入プロジェクトでは、新規導入方式を採用。徹底したFit to Standardを基本に、「SAP S/4HANA Cloud」および「SAP Analytics Cloud」をベースにした、デジタルトランスフォーメーションプラットフォームの構築を目指す。さらに、これらSAPソリューションをベースに、既存プログラム資産を最大限に利用するカスタム開発を、SAP本社のIBSO(Innovative Business Solution Organization)チームと連携して行っていく。
ほかにも、「SAP Premium Engagements」を採用し、SAPサービス部門がSAPソリューションを最大限に活用するためのアドバイスや支援を行う。「SAP Advanced Data Migration by Syniti, cloud edition」もあわせて採用し、SAP ERPから「SAP S/4HANA Cloud」への移行にあたってのデータ移行、データ管理のプロセスをより効率化・短縮化することを目指す。
なお、11月には北米に拠点を持つ海外子会社における本稼働を予定している。