アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内のパブリッククラウド向け診断/CSPM(Cloud Security Posture Management)サービス市場規模推移および予測を発表した。
パブリッククラウド向け診断/CSPMサービス市場の2019年度の売上金額は6億3,000万円、前年度比61.5%増と急成長した。近年、パブリッククラウドサービス利用の増加にともない、権限設定のミスや管理設定の不備、クラウドアプリケーションの構成ミスなどが原因で、情報漏洩やクラウドサービスの不正利用が増えている。
これらを防止するために、アプリケーションの構成ミスを自動的に識別して修正することでリスクを軽減したり、ID管理やアクセス管理、ネットワーク制御などクラウド環境のセキュリティ設定を診断し、設定ミスを検出および改善し、セキュリティ対策を強化する同サービスが立ち上がっているという。
現在、コロナ禍の影響からテレワークの普及などにより、クラウド環境に移行する企業が増加しており、セキュアなクラウド利用のために同サービスのニーズがさらに高まっている。この動きに呼応して参入ベンダーも増加しており、2020年度は前年度から2倍強の13億円に達すると予測している。
ITRのコンサルティングフェローである藤 俊満氏は、「コロナ禍において社内システムのクラウド移行が加速していますが、ユーザー企業にはクラウド運用管理のノウハウが乏しく、手探りでクラウドを導入して運用しているケースが散見されます。パブリッククラウドが存在するインターネット空間はゼロトラストネットワークの呼称の通り無法地帯であり、様々な脅威が存在します。このため、安全に移行し運用するには、パブリッククラウドの状態を診断し、適切なセキュリティ対策を実施することが必要であり、CSPMをはじめとした診断サービスのニーズはますます拡大するでしょう」と述べている。
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