アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内のCDP(Customer Data Platform)市場の市場規模推移および予測を発表した。
CDPは、自社サイトのアクセスログ、購買データ(自社で蓄積した顧客の個人データであるファーストパーティデータ)、顧客データ(顧客が意図的に企業に提供したゼロパーティデータ)などを統合・正規化し、各種のチャネル(メール配信システムや広告配信システムなど)にセグメントされた情報の作成と活用を目的とする製品・サービスのことである。
CDP市場の2019年度の売上金額は70億円、前年度比27.3%増と大幅な伸びを示した。2020年度もベンダー全般的に新規ユーザーの獲得が進んでいることから、同20.0%増が予想されるとしている。また、トレジャーデータが市場を牽引しているが、市場参入ベンダーは増加傾向にあり、各社の積極的なマーケティング活動によって、市場認知度が向上し、幅広い業種での導入が進んでいるという。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、顧客へのアプローチのデジタル化が進みつつある。さらに、GDPR(EU一般データ保護規則)などの個人情報保護強化の動きによってサードパーティデータの利用が制約を受けていることから、ファーストパーティデータなどの活用ニーズが高まっているという。これらがCDP市場拡大の要因となり、同市場のCAGR(2019~2024年度)は20.8%と高い伸びを予測している。
ITRのシニア・アナリストである水野慎也氏は、「DMP(Data Management Platform)は、主に広告配信や自社の商品やサービスの利用状況を収集・分析の目的で利用されていましたが、個々の顧客の情報管理のニーズを受けて、顧客の購買に至る行動とそのインサイトを捕捉するCDPへと発展しました。CDP製品・サービスの選定にあたっては、大量データの高速処理などの基本性能に加えて、データソースと連携するAPIの豊富さや分析エンジンの機能などが評価のポイントになるでしょう」とコメントしている。
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