NECは、ロボットによる倉庫内での搬送作業において安全性を維持しながら、従来比で効率を2倍向上させる制御技術の開発を発表した。同技術は2023年度に実用化し、同社の「協調搬送ロボット」に搭載する予定だという。
同社は、ロボット制御における不確かな要素を表現できるモデルと、数理ファイナンスの手法を活用して、安全性リスクに応じてロボットを制御する「リスクセンシティブ確率制御技術」を開発。これにより、リスクが低い場所では最短距離を高速走行することができ、リスクが高い場所では回避できる経路を低速走行するなど、ロボットが自律的に判断できるとしている。従来のロボットと搬送作業を比較したところ、作業時間は半分となり、搬送効率を2倍向上できることを確認したという。
なお同社は、安全性と効率性を実現できるとして、ロボット専用エリアを整備しなくても、既存倉庫への導入が容易だとしている。
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