クラウド録画サービスを提供するセーフィーは3月8日、同社のウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」が、千葉県八千代市消防本部にて人命救助の実証試験として試験導入されたことを発表した。
これは人命救助現場での状況判断を映像を用いて正確かつ迅速に行うことを目的に導入され、複数回実施された実証試験では、訓練だけでなく実際の火災現場でも同システムの活用が進んでいるという。
同社によれば東日本大震災から11年経過した現在でさえ、ほとんどの自治体では住民の安否確認や被害状況の把握に電話や無線といった方法で情報収集が行われている。そのため防災分野では、あらゆる技術を駆使した災害対応の効率化や高度化を目指す「防災DX」が期待されているという。
今回の実証試験では同システムの仕様と機能を最適化した結果、災害現場の状況を映像に正確かつ迅速に把握、判断が可能となり、消防活動を行う際の有効性を確認可能だとしている。
実際の火災現場では無線機や通信用マイクが水滴や粉塵により連絡手段として無効になった場合、同システムの活用により現場の状況を映像と音声の二軸で判断。通常業務に支障をきたさず、むしろ連絡手段のバッファ的機能を果たし、現場の命令権者が情報を網羅的に把握できるなど、それぞれの部隊に適切な指示を出すことが可能となったそうだ。
今後セーフィーは人々の意思決定に映像が役立てる未来を創造し、企業から個人まで誰もが手軽に利用できる映像プラットフォームを目指していくという。
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