ガートナージャパン(以下、ガートナー)は、2022年の日本の産業別IT支出予測を発表した。2022年の日本におけるエンタープライズIT支出総額は、2021年から5.4%増の27兆2682億円に達する見通し。
同社の成澤理香氏によれば、2021年は産業によって業績の明暗は分かれたが、全体的にコロナ禍でIT投資が減少した2020年から回復が見られたという。その上で、2022年は広範な産業での投資回復が見込まれるという。
また、2021年はGIGAスクール関連投資が後押しとなり教育が24.6%と大幅な増加となった一方、新型コロナの感染拡大による収益低下で運輸、卸売、通信/メディア/サービスは前年比でマイナス成長になっている。
さらに、産業間での収益の差がIT支出に影響を及ぼしただけではなく、同一産業内においても企業や業態によってデジタル化の進捗度に差が生じており、回復傾向の二極化がより鮮明とのことだ。
成澤氏は、2022年はコロナ禍へのニューノーマル実現に向けて様々な業種や企業規模においてデジタル関連投資が本格化すると予想。一方で、デジタル投資に取り組む企業間の差は今後さらに拡大し、定着する恐れがあるという。そのため隣接する業界・業種や、社会、個人との連携を視野に入れたエコシステムを形成し、協業することで新たな価値を提供することも検討すべきとしている。
【関連記事】
・日本の「デジタル化」7割は2025年まで停滞か ガートナーが展望を発表
・セキュリティ責任者が取り組むべき7つのトレンド ガートナーが発表
・日本企業、業務プロセスのデジタル化が課題か――ガートナー調査