2023年3月29日、VMwareは、Springの利用状況に関する調査結果についてブログで発表した。調査結果について、同社は以下のように述べている。
マイクロサービスは普及、新たにモジュラーモノリスの台頭
Springのメリットの一つは、開発者が言語やフレームワークを新たに習得する必要なしに、最新のテクノロジーを取り入れることができる点。2022年の調査でも、モダンなアーキテクチャスタイルの採用拡大の傾向は続いており、回答者の55%が、現在「主にモダンなアーキテクチャスタイル」を使用していると回答した。
中でも、マイクロサービスが最も主要なアプリケーションアーキテクチャであり、回答者の93%がこのスタイルを使用。サーバレスは昨年の19%から増加し、回答者の24%が使用している。リアクティブアーキテクチャ(35%が使用)には昨年から変化がなかった。
2022年の調査では、アーキテクチャスタイルに関する回答項目として、「モジュラーモノリス」を追加。これは、ビジネス要件の変化に対応するためにモノリシックなアプリケーションを効率的に進化させることを目的として、モノリシックかつモジュラーなシステムというコンセプトが再び注目を集めるようになってきたからだ。
回答者の42%がモジュラーモノリスを使用していると回答したが、このスタイルを選択した回答者の多くは、実際には従来型のモノリスを使用している可能性が高いと考えられる。その根拠としては、「主にモダンなアーキテクチャを使用している」と答えた回答者のうち、「モダンと従来型の両方のアーキテクチャを併用している」と答えた回答者の割合が69%であったのに比べ、「モジュラーモノリスを使用している」と答えた割合が27%と、大幅に低かったからである。
Springの最新技術の習得
テクノロジーの進化のペースが速まるにつれて、学習とトレーニングの重要性が高まっている。2022年の調査では、Springコミュニティが情報の入手に利用しているリソースについて調べた。
Springの知識を学ぶためにどのリソースを利用しているかという質問への回答として、「Spring.io」が1位となった(回答者の80%が選択)。2位は「Stack Overflow」(77%が選択)、3位は「Baeldung」(72%が選択)だった。上位5位のリソースを選択した回答者の割合は軒並み増加しており、ユーザーが必要な情報を得るためにより注力するようになっていることが推察される。
今年の回答で増加していた課題としては、「多数のコンポーネントの機能と使用すべき状況を把握するのが難しい」(回答者の37%が選択)および「モジュールを組み合わせて使用する方法に関する情報が不足している」(29%が選択)などがあった。
なお、Springチームは、開発者やアーキテクトにとって、Springエコシステムの進化に後れを取らず対応することがプロジェクトを成功させる上で重要だとし、Spring Academyを公開。同アカデミーでは、最新の技術を理解して活用するために必要な知識と体験の機会を提供するという。
コースは、Springフレームワークのエキスパートによって作成されており、ユーザーは最新の情報を学ぶことが可能。また、実践的な学習体験を通じて、学んだことを応用し、アプリケーションを作成するために必要なスキルも習得できる。
同アカデミーは無料で受講できるが、オプション(有料)のSpring Academy Proのメンバーシップに登録すると、限定コンテンツやビデオレッスン、ハンズオンラボを利用できるほか、Spring Certified Professional認定試験の受験に使用できるバウチャーも入手できるとしている。
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