内閣サイバーセキュリティセンター(以下、NISC)は、2月1日から3月18日までの間を「サイバーセキュリティ月間2024」として、サイバーセキュリティに関する普及啓発活動を集中的に実施する。2月1日、キックオフイベントが開催された。
サイバーセキュリティ月間は今年で15回目。期間中、「サイバーセキュリティは全員参加」をキャッチフレーズに、産官学の様々な組織が連携してサイバーセキュリティの普及活動を行うとしている。同月間の開始に合わせて、特設ページには林芳正官房長官のコメント動画を掲載。さらに、タレントの王林さんを起用したポスターやサイネージで周知を図るという。
キックオフイベントに登壇したNISC 副センター長 中溝和孝氏は「サイバーセキュリティというと難しいイメージを持たれる方もいるかもしれないが、実はとても身近」だと述べる。個人利用では、フィッシングと推察される手口により預金を不正に送金する事案が多発しているほか、「偽セキュリティ警告(通称、サポート詐欺)」も増加傾向にあるという。企業のランサムウェア被害では、2023年上半期に警察庁に報告があったのは103件で、ほぼ横ばいで推移しているとした。中溝氏は「数字はあくまで警察に報告があったもので、実際にはもっと多くの被害があると推測される」と話す。
こうした被害に遭わないために、NISCでは「サイバーセキュリティ対策9か条」として呼び掛けている。中溝氏は「これらは難しい話ではなくて、すごく基本的なこと。こうした基本的な取り組みを進めることで、様々な被害がかなり防げると言われている」と付け加えた。
ポスターに起用された王林さんが登壇。以前、友人から心当たりのない荷物の不在連絡を知らせるSMSが届いたと相談されたことがあり、「絶対に(URLは)押さないほうがいいよ」と注意したことがあるという。サイバーセキュリティに関するクイズには2問とも正解した。最後に「多くの方が携帯電話を持っていると思うので、『私は大丈夫』と思わずに、サイバーセキュリティ月間にいろんな知識を身に着けて、自分や大切な人を守る行動をとってもらえたら」と呼びかけた。
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