2024年2月8日、ヴィーム・ソフトウェアは事業戦略発表会を開催した。
冒頭、「2022年度にグローバルでナンバーワンのシェアを獲ることができた。国内でも追い上げをみせており、早ければ来年にはトップシェアをとれると見ている」とヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長 古舘正清氏は述べると、事業成長の背景にはクラウド活用の加速はもちろん、ランサムウェア対策としてもニーズが増えていると説明した。
2023年には、中央省庁での採用が進み、ランサムウェア対策を主眼に中堅市場において病院・製造業においても事業を順次拡大。日立製作所やCTCグループとの協業強化、ダイワボウ情報システムと新規ディストリビューター契約を結び、大塚商会とも新規商材を展開している。「ランサムウェアの感染は避けられないものとなっており、リストアによる自動復旧が必要になっている。また、既にクラウドリフトしている企業が『BaaS:Backup as a Service』によるバックアップ体制を検討したり、Microsoft 365などSaaSバックアップの需要も拡大したり、これに加えてVMware買収によりアプリケーションモダナイゼーションが加速していることで、Kubernetesデータの保護需要も拡大している」と古舘氏。プラットフォームに依存しないライセンス体系を敷いている同社にとっては追い風だと話す。
ヴィーム・ソフトウェア ソリューションアーキテクト 高橋正裕氏は、「仮想プラットフォーム環境だけでなく、クラウドプラットフォームの環境も含めてVeeamでまるっと保護ができる」と強調した。
また、「Veeam Data Platform 23H2 Update」を引き合いに出すと、バックアップベンダーではなくセキュリティベンダーに生まれ変わっていると高橋氏。ランサムウェアに対する復旧・保護に注力した機能追加を施していると説明する。さらにBaaSである「Cirrus for Microsoft 365」により、Microsoft 365に対するパッチ適用や設定ミスの修復などをサポートしており、既に日本語にローカライズされたWeb UIで利用できるという。
続いて、レッドハット 常務執行役員 パートナーエコシステム事業本部長 三木雄平氏が登壇。「グローバルだけでなく、日本でもヴィーム・ソフトウェアと協業する場面が増えていくだろう」と切り出し、“Day2オペレーション”と呼ばれる、運用にかかわる領域がRed Hat OpenShiftを展開する上での鍵となってきており、「Red Hat OpenShift with Veeam Kasten」が一翼を担うとした。同サービスはユーザーフレンドリーな使い勝手が特徴であり、直感的な操作で移行やバージョンアップなどの対応も容易だとする。
高橋氏も下図を示しながら「Kastenならコマンドラインだけでなく、直感的なWeb UIでDay2オペレーションも容易になる」と強調。既にRed Hat OpenShift環境を利用していれば、Operator Hubから簡単に導入できるとした。