Vadeは米国時間2月15日、フィッシング詐欺の攻撃数をランキングした年次レポート「Phishers' Favorites」の2023年版を発表した。
同レポートでは、2023年1月1日から12月31日の期間に固有のフィッシングメールからリンクされた197,000のフィッシングURLを分析。フィッシング詐欺でなりすましが最も多かったブランドのトップ20をランキングしている。2023年版のランキングでは、固有のフィッシングURLの数が前年比74%増加し、1位がFacebook(44,548件)、2位がMicrosoft(22,851件)となった。1位と2位の数は約2倍のひらきがあり、Facebookは3年連続で首位を獲得し、ソーシャルメディア企業としては過去最多の数になったという。
ソーシャルメディアのフィッシングが大幅に増加
2023年の調査対象ブランド全体で、フィッシングURL数の前年比増加率が最も大きかったのはソーシャルメディア部門(110%)だった。Facebookのほか、Instagram(9位)、WhatsApp(13位)、LinkedIn(23位)などが増加に影響した要因だという。フィッシングの脅威が増加しているのは、ソーシャルメディア広告からの収益が上昇を続け、企業が営業、マーケティング、採用においてこれらのプラットフォームへの依存度を高めていることが考えられるとしている。
最もなりすましが多い業界は依然として金融サービス
金融サービス業界は2022年に続き、2023年もハッカーによるなりすましの最も多い業界だった。固有のフィッシングURLの数(64,009件、全体の32%)で他業界を圧倒している。Crédit Agricole、Paypal、Bank of Americaがトップ10に入り、La Banque Postale、Société Générale、American Expressが続いている。
Microsoft、Google、Netflixが最もなりすましの多いクラウドブランドに
クラウド業界は、ソーシャルメディアと並んで2023年に固有のフィッシングURL数が増加した業界となった。これはMicrosoft(2位)、Google(11位)、Netflix(19位)の存在が大きく影響しているとのこと。ハッカーの間でMicrosoftとGoogleの人気が持続しているのは、プロダクティビティスイートであるMicrosoft 365とGoogle Workspaceへの需要が高まっているためだとしている。
Microsoftは2023年度第3四半期(7-9月)に、有料シート数が3億8200万を超えたことを発表。またGoogleは、900万以上の組織がGoogle Workspaceの料金を支払っていることを発表した。両製品は、依然としてフィッシング攻撃の人気ターゲットとなっているという。
2023年版のレポートから得られたその他の調査結果は以下のとおり。
- ハッカーはメールセキュリティソリューションによる検知を回避するために、正規のサービスを悪用
- キッシング攻撃が増加傾向に
- PhaaSのマーケットプレイスが拡大
- 日本ブランドでは、SoftBankが5位(5,511件)にランクイン
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