カサナレは、三菱UFJ信託銀行との共同検証を実施した。同行で使用されるシステムの仕様書や業務マニュアルを生成AIに読み込ませることで、専門部署への問い合わせ対応を一部自動化し、対応時間の削減を実現したという。
この共同検証により、従来の方法では回答精度向上が困難であった金融機関特有の高難易度情報が、生成AI技術で適切に対応できると示されたとのことだ。詳細な概要と結果は以下のとおり。
- 三菱UFJ信託専用のRAGアルゴリズムを開発:専門的な金融知識、業務知識が求められる問い合わせ対応に対し、システムの仕様書や業務マニュアル、FAQを生成AIに読み込ませ、行内での問い合わせ対応を自動化
- PoCでは90%以上の正答率を達成:同技術を活用することで、高度な金融知識が必要とされる問い合わせにも正確に対応できることを確認。2024年4月から業務利用を開始した
- 担当部署の工数を50%削減:行内には問い合わせ対応が多くあり、他の領域に広げていければ年間数十万時間以上の効率化が見込める
今後は、問い合わせ対応のために整備したデータ群を、問い合わせ対応の自動化だけでなく、今後のAIエージェント構築や新たなユーザー体験の実現にも活用していく予定だという。
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