電通総研は、「SAP S/4HANA」移行に向けた準備状況や今後の動向、SAP S/4HANA移行・導入後の課題や今後の検討事項など、SAP社製ERPシステムユーザーの現状を調査した。
調査概要
- 調査期間:2024年9月24日~10月31日
- 調査対象:SAP社製ERPシステムを導入している国内企業 約1,300社
- 調査方法:
- 電通総研マーケティング部門のダイレクトコールによるヒアリング
- 各種メール配信によるWebアンケートフォーム回答
- アンケート用紙回答
- 有効回答数:275社
- 「SAP ERP Central Component6.0」ユーザー167社
- SAP S/4HANAユーザー108社
- 両ソリューションを利用している企業は、いずれにも加算して算出
SAP S/4HANA移行済みユーザー比率は前年比11.8ポイント増
2023年度の調査結果と比較すると、SAP S/4HANAユーザーの比率は11.8ポイント増加しており、2022年から2024年の3年間では、23ポイントの増加が見られたという。
SAP S/4HANAの移行方式は、「コンバージョン」を想定が最多
2024年度の調査結果では、2023年度に引き続きSAP ERP Central Component6.0(以下、SAP ECC6.0)ユーザー企業のうち、「コンバージョン」を想定している企業が54社(32.7%)で最多。また、RISE with SAPを想定する企業が2023年度比9.7ポイント増と、大きく伸長しているという。
SAP ECC6.0ユーザーが検討中のSAP S/4HANAのプラットフォーム
SAP ECC6.0ユーザー企業のうち、SAP S/4HANAへの移行費用を「5億~10億円」と想定する企業が29社(18.2%)で最多、次いで「1億~3億円」が28社(17.6%)と続いた。2023年度の調査結果と比較すると、3億円以上の回答がすべて増加、3億円以下の回答はすべて減少しており、企業が想定する移行費用がより高額化しているという。
SAP ECC6.0ユーザーが取り組みを検討したいテーマは「AI活用」
今後、取り組みを検討したいテーマの回答は、SAP ECC6.0ユーザー企業のうち「AI活用」が76社(53.5%)で最も多く、次いで「経営データの分析効率化・高度化」が71社(50.0%)となり、AIやデータ活用への関心の高さがうかがえる結果になったとしている。
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