アルダグラムは4月8日、茨城県つくば市との公共施設整備に携わる職員および現場関係者の業務効率の改善に向けた実証実験において、残業時間が約26.5%削減するなどの最終成果を発表した。
つくば市では、都市開発の発展にともない人口の拡大が続き、公共施設の新設・改修業務が増加しているという。しかし、担当職員の人員不足や紙ベースでの管理が主流であることから、公共施設整備課では施工管理業務の負担が増大。業務の属人化による情報共有の課題や、連絡手段が庁舎でしか使えないメールのみで非効率性といった課題があったとしている。
実証実験では、アルダグラムの現場DXサービス「KANNA」を活用し、施設整備における施工管理業務の負担軽減、業務の可視化、情報共有の迅速化を検証した。具体的に、工事、設計、修繕工事予算算出業務で活用したという。
成果と課題は次の通り。
- チャット機能の活用で、職員の残業時間が約26.5%削減
- 協力会社の約8割が「業務効率化を実感」と回答
- 複数システム利用に比べ、情報の一元化ができ効率化が図れる
つくば市 建設部 公共施設整備課 建築第二係 係長 吉原寛氏のコメント
当課ではつくば市が保有する建築物の設計及び工事における監督業務を行っております。つくば市では設計業務及び工事を年間各100件程度行っており、当該業務を係員約10名程度で監督していることから、係員が多くの業務を同時進行する必要があり、タスク管理が困難になるといった課題がありました。また、工事請負業者及び工事発注部署とのやり取りは課に割り当てられている共通のメールアドレスにてメールを行うしかなく、誰宛に届いたメールか分かりづらく、外出先では利用することができないなど、関係者間の情報共有に課題がありました。これらの課題を解決するため、工事現場DXアプリを検証することとなり「KANNA」において実証実験をすることになりました。
つくば市は今後、工事現場DXアプリの導入を検討していくとしている。
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