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多くの企業が「量子AI」活用に関心、SASが量子技術の浸透方法と提供方法を模索中

 SAS Institute(以下、SAS)は2025年4月、中国、フランス、メキシコ、英国、米国の5ヵ国にて、ビジネスマネージャー500名を対象とする、量子技術に関するグローバル調査を実施した。

 回答者の60%以上が量子AIへの積極的な投資や活用を検討中であると回答し、関心の高さが明らかになったという。しかしビジネスリーダーたちは、量子AIの導入には重大な障壁があることも指摘しているとのことだ。

 主な懸念として、高いコスト(38%)、理解や知識の不足(35%)、実用化に向けた具体的な活用方法の不確実性(31%)が挙げられているとのこと。調査結果は、量子AIに対する関心が高まる一方で、組織が量子技術を有効活用するためには明確なロードマップやガイドラインが必要であることを示しているという。

 SASは、顧客企業とのパイロット・プロジェクトや量子AIの研究、量子コンピューティング分野のビジネスリーダーとの協力を通じて、企業が量子テクノロジーを社内で応用するためのガイダンスを提供すべく注力しているとのことだ。

 また、複雑な量子市場や技術の裏にある物理学を理解しなくても、量子技術をもっと幅広い層の人たちが理解し、活用でき、より迅速に価値を得られるようにする方法を模索していると述べている。

 同社は現在、大手消費財企業と連携し、量子アニーリングとSASの従来型最適化解決方法を組み合わせた、ハイブリッド型の最適化手法のPoCを進めているという。現在行われている量子コンピューティングや量子AIの研究は極めて複雑でわかりにくいために、期待が大きすぎる傾向があるとのことだ。しかし多くの専門家は、量子テクノロジーの普及は何年も先のことだと予想しているという。

 SASはすでに、量子コンピューティングと従来型コンピューティングの両方を含めたハイブリッドアーキテクチャを応用し、実際の課題に取り組んでいるとしている。

量子AIの研究

 SASは、ライフサイエンス業界における創薬スピードの向上、金融サービス業界におけるリスク管理の強化、製造業界における材料開発や生産プロセスの最適化など、量子AIのスピードや汎用性が期待できる主要産業に注目しているという。また、以下のような量子コンピューティング業界におけるリーダー企業とも連携しているとのことだ。

  • D-Wave Quantum:量子アニーリングシステムの開発・実用化におけるリーダー企業であり、世界初の商用量子コンピュータを提供したサプライヤー。SASは、D-Waveの技術を自社独自の研究に加え、顧客企業との共同プロジェクトにおいて活用しているという
  • IBM:超伝導量子コンピューティング分野におけるリーダー企業。SASは、IBM Quantum Networkのメンバーで、従来型コンピュータと量子コンピュータを組み合わせたハイブリッド手法により、困難な課題解決に向けて量子技術の実用化を加速させているとのこと
  • QuEra Computing:中性原子方式の量子コンピュータ分野におけるリーダー企業。SASは、QuEra Quantum Allianceパートナープログラムのメンバーであり、中性原子方式の量子コンピュータの開発、導入、活用を加速させ、世界で最も難解な計算問題の解決を目指しているという

 加えて将来、SASは主力製品である「SAS Viya Workbench」などのツールに、開発者が量子AIの実験を行える様々な機能を追加する予定だとしている。

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