Ridgelinezは、量子コンピュータによる既存暗号の脆弱化に備えた耐量子計算機暗号(以下、PQC)への移行支援サービスを10月24日から提供開始した。
同サービスは、幅広い業種のクライアントに向け、従来の暗号技術からPQCへの移行に必要となる暗号化資産の棚卸しや、移行戦略・計画の策定、そして技術対策の検討まで、経営戦略に整合した包括的な支援を提供するもの。
Ridgelinezは、富士通の量子分野における知見、各業界の業務に関する知識、そして各ソリューションの専門性を活用し、PQC移行に向けた技術支援を含む対策の検討を実施するとしている。また、クライアントの経営陣をはじめシステム部門、リスク管理部門、内部監査部門などの関係部門に対して、予算措置、人材確保、外部ベンダーとの調整などの対応を支援するとのことだ。
同サービスでは、まず暗号技術によって保護されている情報資産の棚卸しであるクリプト・インベントリの整備により、既存暗号が解読されるリスクを網羅的に抽出。これをIT計画やサイバーセキュリティ計画と整合させ、リスクの大きさや重要度に基づいて、移行対象システムの優先順位付けを行うという。
次に、将来的に新たな暗号技術が登場したり、暗号危殆化の事態に陥ったりしても、システム全体を大きく変更することなく、新しい暗号方式へ切り替えられるような設計(クリプト・アジリティ)を実装したアーキテクチャの検討を進めるとしている。また、技術・運用上の課題整理、PQCに対応したクラウドサービスの活用可能性の評価などを行い、PQC対応のロードマップを策定するという。
そして、クリプト・アジリティが確保できる技術的対策の実装・運用を実施し、ロードマップに沿って影響度の大きいシステムから順次PQCへの移行を行うとのことだ。加えて、PQC移行プロジェクト全体の企画立案や進捗管理を担うプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)などの支援も行うという。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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