SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2026 Spring

2026年3月 オンライン開催予定

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

EnterpriseZineニュース

Sansan、企業のマスタデータを統合する新データ連携サービス/AIエージェントなど新製品を発表

 2025年11月21日、Sansanは、新AIソリューション発表にともなう記者会見を開催した。

(左から)Sansan株式会社 代表取締役社長/CEO/CPO 寺田親弘氏

同社 執行役員/Sansan事業部 事業部長 小川泰正氏

 会見冒頭、同社 代表取締役社長の寺田親弘氏はAI市場の現状を紹介。グローバルでAIへの投資が拡大している中、日本のAI市場は2029年までに4兆円規模に達すると言われている。

 「多くの企業が様々な方法でAIへの投資を進めていますが、実際にそれらの投資から思ったとおりの効果を引き出せている企業はどれくらいいるのでしょうか。当社では99%の社員が生成AIを活用しており、私自身も活用していますが、当初AIに期待していたような効果が実現できているかと言われると、疑問が残ります」(寺田氏)

 同氏は、今がAIの「幻滅期」に突入しているのではないかと語る。たとえば、AIに「今期の営業戦略をどうすべきか」と質問すると、精緻で綺麗にまとまった回答が返ってくる。しかし、それは言い換えると極めて一般的な回答に過ぎないケースが多々あり、社内の状況を踏まえた具体的なアクションにつながる有用な回答を引き出すことは非常に難しい。

 この要因は、「AIに与えるデータ情報の不足」にある。企業独自のプライベートデータをAIが参照できない限り、AIからはパブリックデータを基にした一般的な回答しか返ってこないだろう。しかし、手元にあるデータをむやみやたらにAIに与えればよいかというと、そうでもない。AIが読み解ける、正確に構造化されたデータを読み込ませることが重要だ。

 同社は今まで、名刺や請求書、契約書などの情報をデータ化・整理することに注力していたが、上記のような背景を踏まえ、これらを企業のAI活用に生かすためのソリューション群を発表。会見では、以下3つの点から発表がなされた。

1. オンライン会議での顧客情報を蓄積

 外部とのオンライン会議をする際、相手の連絡先や部署などが分からなくなるといった事案が散見される。この課題を解決するため、Zoomとの連携機能「Sansan Zoom連携」を開発中だという。提供は、2026年春を予定しているとのことだ。

クリックすると拡大します

 具体的な利用方法としては、Sansan Zoom連携を通してZoomのミーティングURLを発行し、ゲストがそのURLにアクセスすると、ルーム入室の際に会社名、役職、氏名、連絡先などを入力するよう表示される。このとき、ゲストが既に名刺管理サービス「Sansan」のユーザーであればワンクリックで情報が連携されるとのことだ。入力された情報はSansanと連携され、手元で情報を見ながら会議を進められる。

 また、入力された情報とオンライン会議の録画データを紐づけてプロフィールを保存することも可能。従来の名刺交換やオンライン会議などにおける「顔と名前が一致しない」という問題を解決するためのサービスだとした。

2. マスタデータ管理を支える新たなデータ連携ソリューション

 今回新たにデータクオリティマネジメントサービス「Sansan Data Intelligence」の提供を発表。これは、同社既存サービスの拡張機能などではなく、単体での導入が可能なものだという。

 多くの企業では、同じ顧客情報がCRMやSFA、基幹システム、Excelなど様々な用途・形式で管理されており、散在している現状がある。たとえば、「Sansan株式会社」という社名も、「サンサン株式会社」「三三株式会社」など様々な名前で保存され、別の会社として管理されているケースもあるだろう。

 そういった社内に散らばる顧客データを統合し、同社独自の識別コード「Sansan Organization Code(SOC)」を付与することで、高品質なマスタデータを作成できるのがこのサービスだ。同サービスには、本社、子会社、支社の親子関係、事業所などの情報を含む800万件以上の企業データベースが備わっている。このデータベースを活用することで、情報の正規化・最新化・リッチ化できるという。

クリックすると拡大します

3. Sansanのデータ、社内データをAI活用に生かす

 「Sansan」や「Bill One」、自社の基幹システムなど、社内に散在している情報を統合し、AIが利用できる環境を提供する「Sansan AIエージェント」が発表された。AIとチャット感覚で営業活動の支援を行うものだという。同社が、AIツールと顧客の社内環境とのインテグレーションを提供する。

クリックすると拡大します

 加えて、「Microsoft Copilot」や「Claude」などの生成AIツールと接続できる「Sansan MCPサーバー」も新たに提供を開始すると発表。これにより、企業は既に利用している生成AIツール上で、Sansanに蓄積されたビジネスデータを直接検索・分析できるようになるとのことだ。

【関連記事】
企業1社あたり平均23.3個のシステムを導入も、システム間連携に課題か──Sansan調査
ユアテック、Sansanの「Bill One請求書受領」を導入 年間約4万時間の業務を削減
近鉄百貨店、SansanのAI契約データベース「Contract One」を導入 情報管理の工数削減

この記事は参考になりましたか?


広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
この記事の著者

奥谷 笑子(編集部)(オクヤ エコ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/23205 2025/11/21 16:30

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング