生方製作所は、SAPジャパンとワンアイルコンサルティングの支援とともに、既存の「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」環境を前提としながら、経営管理の高度化とAI活用を見据え、「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」を中核とする次世代基幹基盤の構築を進めると発表した。
生方製作所では、2004年に「SAP R/3」を導入し、2020年にはSAP S/4HANA Cloud Private Editionへ移行するなど、長年にわたりSAPが基幹システムとして活用されてきたという。一方で、アドオンに依存しない構成で運用していたものの、ブラウンフィールドでのバージョンアップを重ねる中で、業務の見直しや新たなビジネス価値の十分な創出を実現しにくい状況になっていたとのことだ。
こうした課題を踏まえ同社は、既存環境を前提とした延長線上の対応ではなく、制度対応や業務機能のアップデートがクラウドサービスとして提供されるSAP S/4HANA Cloud Public Editionを採用し、基幹システムを抜本的に見直す判断を行ったとしている。
同プロジェクトでは、財務会計、管理会計、販売管理、生産管理、購買・在庫管理、品質管理といった基幹業務を対象に、SAP S/4HANA Cloud Public Editionの標準機能とFit to Standardアプローチを活用し、業務の標準化と再設計を通じた経営基盤の強化を進めるとのこと。これにより、業務ごとの個別対応に依存しない運用を目指し、経営管理や業務改善を継続的に進められる基盤を整えると述べている。
SAP S/4HANA Cloud Public Editionは、製造業に必要な業務プロセスを標準機能で幅広くカバーするとともに、クラウドネイティブなアーキテクチャにより、将来の拠点追加やユーザー増加にも柔軟に対応可能だという。生方製作所では、まずSAP S/4HANA Cloud Public Editionを活用し、標準機能を前提とした業務の標準化と効率化を進め、その後、既存環境との連続性を考慮しながら、段階的にSAP S/4HANA Cloud Private Editionからの移行を進める計画とのことだ。
また同プロジェクトは、単なるERP再構築にとどまらず、将来的なビジネスAI活用を見据えた基盤整備として位置づけられているという。SAP S/4HANA Cloud Public Editionを通じて業務データを一元管理することで、正確で信頼性の高いデータ基盤を構築し、将来的に予実管理や業績着地点の予測、原価管理の精緻化、現場業務の効率化など、AIを活用した意思決定や業務高度化に取り組んでいく予定だとしている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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