独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は22日、「エンタプライズ系ソフトウェア技術者個人の実態調査」の報告書を公開した。同調査はソフトウェア開発現場の実態把握を目的としたもので、エンタープライズ系ソフトウェア技術者個人を対象に、「技術者個人の状況」と「プロジェクトの状況」の2つの局面でアンケート調査を行った。
個人の意識に関する調査では「モチベーション」の53.1%をはじめ、全18設問のうち15問で肯定的な回答が過半数を占めるなど、全体的に前向きな傾向が目立った。一方、月平均就労時間が200hを超える「長時間労働者」の比率が40.1%に上ったほか、ベンダー企業では元請けと下請けの間で年収分布に偏りが見られるなど、業界が抱える課題も浮き彫りになっている。
最近1年間のプロジェクトの成否を問う設問に対しては、肯定的評価が半数を下回る。プロジェクトマネジメント上の課題として認識されている最上位項目は「スキル」、次いで「要員調達」「実施スケジュール」という回答となった。
その他、技術者のスキル成長を導く要因としては「職場の先輩」「上司の指導」を挙げる回答が多いなど、新人の現場配属が始まるこれからの時期に気になる調査結果も掲載されている。
今回の結果について、報告書では「報酬への不満は感じつつも、仕事のやりがいをスキルアップ等に見出しています。またモチベーションの“正のスパイラル”を確認することができました」と分析している。
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・「エンタプライズ系ソフトウェア技術者個人の実態調査」報告書の公開(プレスリリース)