日立は企業の拠点や部門内に「VFP」を設置する一方で、企業などのデータセンターに、データの重複排除・圧縮を自動で行い、効率的にバックアップ/アーカイブできるストレージ装置「Hitachi Content Platform」を設置して、拠点とセンター間を連携させることで、各拠点や部門の非構造化データを集約できるコンテンツクラウドを提供してきたという。それにより、データのバックアップやアクセス頻度に応じた再配置などといった、データ管理の一元化を実現してきたという。
今回、日立は拠点や部門に設置するファイルストレージ製品である「VFP」のゲートウェイモデルとストレージセットモデルのラインアップを一新し、新たにゲートウェイモデル「VFP600N」「VFP200N」と、ストレージセットモデル「VFP110」を製品化した。最新プロセッサーの採用や搭載可能なメモリ容量の拡張によるデータ処理性能の向上など、基本性能の強化を図るとともに、「VFP200N」では筐体の高さを現行機の2分の1となる1Uとし省スペースを実現したという。
また、「VFP」の上位に位置づけられるファイルストレージ製品として、米・日立データシステムズ社から海外市場向けに提供しているハイエンドファイルストレージ「Hitachi NAS Platform(HNAS)」を日本国内でも製品化し、7月18日から販売を開始するという。
「VFP」のラインアップ刷新と「HNAS」の製品化により、ファイルストレージ全体のラインアップを強化することで、企業の拠点や部門といった小規模での利用から、科学技術計算や大規模なファイルストレージシステムの統合といった高性能が求められる大規模での利用まで、幅広い顧客のニーズ、要件によりきめ細かに対応することが可能になるとしている。
刷新された「VFP」「HNAS」は、さまざまなデータの一元管理のみならず、さまざまなストレージ装置も、その機種、設置場所などに依存せず一元的に運用、管理することをめざすユニファイドストレージコンセプトに基づく製品だという。日立は、「VFP」および「「HNAS」を、日立のストレージ装置を一元的に管理するストレージ管理ソフトウェア「Hitachi Command Suite」と組み合わせたストレージソリューションとして積極的に展開し、データ、並びに装置双方の運用、管理を容易化することで、顧客のTCO削減に貢献していくとしている。
発表によると新製品の特徴は次のとおり。
1. 仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform」
・ゲートウェイモデル「VFP600N」「VFP200N」「VFP600N」
高い拡張性や処理能力、データ容量を持つ上位モデル。「VFP200N」は、中位モデルに位置づけられ、筐体の高さを現行機の2分の1となる1Uとし、拠点や部門での設置が容易。最新プロセッサーの採用や搭載可能なメモリ容量を最大4倍となる192GBまで拡張したことで、高い処理性能を実現。また、接続できるクライアント数や仮想NASの上限数を柔軟に選択できるため、システムの特性や利用状況などに応じた容量や性能、機能のきめ細かい設計が可能。
・ストレージセットモデル「VFP110」
「Hitachi Unified Storage100シリーズ」とセットで提供することで、迅速なシステム導入を可能とするストレージセットモデル。現行機に比べ、提供価格を約40%低く抑えて設定、中小規模のシステムなどへの導入が容易。
2. ハイエンドファイルストレージ「Hitachi NAS Platform」
「VFP」の上位に位置づけられるファイルストレージ製品で、ゲートウェイモデル「HNAS3090」「HNAS3080」をラインアップ。通常、ソフトウェアで実現する通信プロトコルの制御やファイルシステムといった機能をハードウェア上に実装することで、科学技術計算、医療・ライフサイエンスやエンターテインメント分野などで求められる大容量データの高速な処理が可能。最大8PBまで容量を拡張できるため、大規模なファイルストレージの統合にも適合。
■日立ストレージソリューションのWebページ
http://www.hitachi.co.jp/storage/