Windows 8とMac OSX Mountain Lionに対応したDelphi XE3、C++Builder XE3を提供開始
今回発表の製品は、昨今のMacの台頭によるMac OS X向けのソフトウェアを開発する必要性や、古いWindows XPからWindows 7、新しいWindows 8までの多様なWindowsプラットフォームに対して、ソフトウェアを開発するというニーズに対応する製品となる。
Delphi XE3とC++Builder XE3は、最新のWindows 8とOS X Mountain Lionをサポートし、単一のコードベースから、複数プラットフォーム向けのネイティブアプリケーションを構築することができる。Windows 8スタイルのユーザーインターフェイスをサポートし、タブレットPCでのタッチスクリーンによる操作に対応する。
2012年9月4日都内で開かれた記者発表会で、日本法人代表 藤井等氏は「開発専門企業さえ、開発工数をどう削減するかが課題。モバイルのあまりにも多様な環境やデバイスに対応するために足踏みしている企業が多い。ひとつのソースコードで複数のデバイス、環境に適応させたい、モバイル専用ではなく今までのPCでのアプリケーション開発と同じソースコードで対応したいという声が多い。Mac OS X、タブレットと意識したWindows8、新しいインターフェイスに対応していくための機能を今回の製品で提供する」と語った。
また来日した米Embarcadero Technologies チーフ・エヴァンジェリストのデビッド・インターシモーネ(David Intersimone)氏は、新たにDelphiに搭載される開発環境の FireMonkey 2によって、従来開発されたアプリケーションをWindows 8に移行させるデモをおこない、「Windows 8のタッチ&ジェスチャーに対応するMetropolis UI、Mac OS XではRetinaディスプレイの選択、加速度センサー、GPS、カメラなども、開発者はターゲットプラットフォームを選択するだけ」と語った。
また同時にWeb/スマホ/タブレット向けの開発ツール「HTML5 Builder」も発表された。モバイルアプリケーション開発市場に関しては今後、Delphi / C++Builderを使ってARMネイティブのモバイル開発をサポートする製品を提供していく予定であり「モバイルアプリ開発者でなくてもモバイル市場に参入が可能になる」と日本法人代表 藤井等氏は語った。
Delphi XE3、C++Builder XE3の主な新機能
Windows 8対応の最短パスを提供
新たに搭載されたMetropolis UIによりWindows 8スタイルのアプリケーションを簡単に作成可能。タッチ対応、ライブタイルサポート、タブレットのセンサーコンポーネントなどを用いたWindows 8デスクトップアプリケーションやx86ベースのタブレットで実行可能なアプリを効率的に開発できる。
単一のコードベースから複数プラットフォームに対応
FireMonkey FM2アプリケーションフレームワークにより、WindowsとMacの双方で動作するネイティブアプリケーションを単一のコードベースから開発することができる。最新のMountain LionやRetinaディスプレイサポートを含むMac環境、Windows環境の複数バージョンをターゲットとした開発が可能。
データとユーザーインターフェイスをビジュアルに接続
Visual LiveBindingにより、ユーザーインターフェイス要素とデータをビジュアルに結び付けることができる。画面上の入力ボックスやイメージといったコントロールにデータを表示し、編集できるようにするには、従来、コーディングやさまざまな設定が必要だったが、Visual LiveBindingを使えば、図上でコントールとデータを線で結ぶだけ。データソースとしては、SQL Server、Oracle、Sybase、DB2、InterBase、SQLAnywhere、SQLite、MySQL、ODBCに加え、Windows AzureやAmazonといったクラウドサービスも利用できる。
単一のコードベースを用いてマルチデバイスアプリを構築可能にするHTML5 Builder
また同時に発表されたHTML5 Builderは、HTML5、CSS3、JavaScriptによる単一のコードベースから、Web、iOS、Android、BlackBerry、Windows Phone 7向けアプリケーションを構築可能にする製品。サーバー用アプリケーションの開発のためPHPを組み込んでおり、JQueryも簡易に利用できる。データベースアクセスなどのバックエンドサーバー機能を、ビジュアル操作で迅速に開発できる。HTML5 Builderでは、Webおよびモバイルアプリケーションのフロントエンドとバックエンドの双方の開発を、ひとつの開発環境でサポートする。