DB2 V10.5は、表形式で管理されたデータを行単位で扱う業務処理向けのリレーショナル・データベースの機能と、データを列単位で扱い、さらにメモリー上に展開して高速に分析処理を行うカラム型インメモリー・データベースの2種類の機能を一つの製品で実現する。これにより、従来は個別に構築する必要があった業務処理向けと分析向けの2つのデータベースを1つで運用できる。
トランザクション処理を実現する従来からのリレーショナル・データベースの機能に加えて、新たに「BLUアクセラレーション」と呼ばれる高速データ分析処理機能を搭載することで、データの集計・分析処理ができる。リレーショナル・データベースと分析向けデータベースの2種類を1つのデータベースで運用管理できることで、運用管理負荷が軽減されるだけでなく、1きょう体内でリレーショナル・データベースのデータを分析向けデータベースにコピーして分析するといったことも可能。
BLUアクセラレーションは、ストレージ装置からデータを列単位で取り出し、高い圧縮率で圧縮してメモリー上に展開、CPUの並列分散処理機能を活用することで、高速分析処理を実現する機能。IBMの実験では、BLUアクセラレーションの機能を活用することで、従来のリレーショナル・データベースよりレポートおよび分析が8~25倍高速になり、データ圧縮においては、90%以上の圧縮率を記録したという。BLUアクセラレーションはIBMの世界の基礎研究所および開発研究所で開発された技術により実現したもの。
発表の場で日本IBM の専務執行役員のヴィヴェック・マハジャン氏は「インメモリカラムによる高速処理を実現した上で、これまでは別だった業務系のOLTPと情報系の分析処理が1つのDBで可能となった。これはまさにデータベースのイノベーションといえる。中堅・中小の企業を主な対象とする」と語った。
新製品は、日本IBMおよび日本IBMのビジネスパートナーから販売し、6月14日から提供開始する予定。