「IBM FlashSystem」は、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリーであるフラッシュメモリーを活用した、1Uサイズのソリッドステートシステムで、設置スペースや消費電力は低減しながら、ハードディスクベースのストレージでは困難であった、高速なデータ処理を実現するという。現行システム環境への変更は最小限に抑えて導入でき、また、特許取得済み技術によりデータを保護しながら高い処理性能を発揮できるとしている。
「IBM FlashSystem」の最小構成価格は8,409,600円で、4月12日から日本IBMおよびIBMビジネスパートナーから販売し、4月15日からの出荷開始を予定しているという。
IBMは、10億ドルの研究開発費を投資して、フラッシュの技術を、サーバー、ストレージ、ミドルウェアなどの製品ポートフォリオに統合していき、今年中に、日本を含む世界12か所にコンピテンシーセンターを開設するという。
1Uサイズの小型なソリッドステートシステムである「IBM FlashSystem」は、省電力、省スペースでありながら、高速なフラッシュメモリー上にデータを格納して処理する方式により、ディスクの回転動作の遅延がデータ入出力のボトルネックとなりうる、ハードディスクベースのストレージと比べ、通常ディスクで約4000個分、キャッシュ搭載大型ディスクで約500~600個分のデータ処理能力を発揮するという。また、端末からの要求に対してデータを処理して結果を返す、オンライントランザクション処理(OLTP)にかかる時間は90%短縮し、データのバッチ処理にかかる時間は85%短縮し、エネルギー消費量は80%低減できるとしている。
「IBM FlashSystem」は、たとえば、金融や証券のオンライン取引など、高い信頼性が求められる業務分野や、画像処理、シミュレーションなど、膨大かつ複雑な処理を必要とするハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野、財務や会計管理といった企業経営を支えるERPシステムや、データベース処理、データ分析、検索エンジンといった、高負荷なアクセスが発生するシステムにおいて、限られた時間内でのシステム処理量を飛躍的に向上できるとしている。
フラッシュストレージは、OSからはディスクドライブとして認識されるため、ストレージエリアネットワーク(SAN)環境に追加するだけで、既存システム環境のOS、アプリケーション、ミドルウェアに変更を加えることなく活用でき、導入にかかる作業負荷や運用の変更を抑えながら、システム処理性能の向上を図ることができるという。
また、「IBM FlashSystem」は、可用性向上のためにデータを冗長化する技術であるRAIDを、ディスクではなくフラッシュメモリーのチップ単位で効率的に実現するという。特許取得済みの「Variable Stripe RAID」技術の活用により、障害が発生したフラッシュメモリーチップは自動的にRAIDグループから外れ、残りのフラッシュメモリーが即座に処理を引継ぐことができるため、処理するデータ量が増えても、高い可用性と高速な処理を維持できるとしている。
■「IBM FlashSystem」のWebサイト
http://www-06.ibm.com/systems/jp/storage/products/flash/