「KIPS」は、ボードゲームとオンラインアプリケーションを組み合わせた対サイバー攻撃演習で、製造業や重要インフラ事業者などを対象に、正規トレーニングパートナーであるMHPSコントロールシステムズから販売される。所要時間は約2時間で、最小催行人数10名、価格は30万円(税別)からだという。
KIPSの参加者は、数名ずつのグループに分かれ、条件や指示が書かれた30枚のカードと決められた予算、作業時間を有効に使いながら、サイバー攻撃を受けている水処理施設を守るための効果的な対抗策を実施する。
5週間という仮想期間内で、最も高い生産高を維持したチームが勝つというゲーム性を持たせつつ、ゲーム終了後には、どのような対応が適切だったのか、また攻撃者のシナリオと各チームの打ち手を比べながら、参加者全員がゲーム上で発生した事象に対する考察と理解を深めるという。
Kaspersky Labは、これまでに米国、ロシア、マレーシア、英国など10か国以上でKIPSを提供しており、2015年2月には欧州原子核研究機構(CERN)においてもゲームを実施した。日本でも2014年5月より一部で試験提供を開始し、参加者からは「ゲーム形式で楽しく学ぶことができた」などのフィードバックを得ているという。
カスペルスキーでは、今後、発電施設などへのサイバー攻撃のシナリオを用意し、より専門性の高い重要インフラ事業者に演習の提供を拡大する予定だとしている。