発表された「国内産業分野別企業規模別 IT支出動向および予測」の概要は次のとおり。
2015年は大企業の前年比成長率は0.4%、中堅中小企業ではマイナス成長を予測
2014年の国内IT市場は多くの産業でIT支出が伸び、全体で前年比成長率が2.4%という実績となった。2015年の国内IT市場規模は14兆6,435億円、前年比成長率はマイナス0.5%と予測する。
前年の反動を受けて全体でマイナス成長を予測する2015年の国内IT市場を企業規模別にみると、従業員規模1,000人以上の大企業は、銀行での大型案件や、円安の影響で業績が好調な製造業でのシステム案件が後押しし、前年比成長率0.4%でプラス成長を維持するが、その他の企業規模ではいずれもマイナス成長を予測している。
小規模企業(1人~99人)が前年比成長率マイナス2.0%、中小企業(100人~499人)が同マイナス0.7%、中堅企業(500人~999人)が同マイナス0.1%であり、企業規模が小さくなるほど短期的にIT支出が抑制されるとみている。
しかし、各企業規模の2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を見ると、小規模企業が1.4%、中小企業が1.4%、中堅企業が1.5%、大企業が1.6%を予測し、中長期的にはいずれの規模でもIT支出が堅調に推移すると見込んでいる。
大企業を中心に第3のプラットフォームを導入し、徐々に中堅中小へと浸透
2015年の第3のプラットフォーム市場は6.0%成長、第2のプラットフォーム市場はマイナス4.4%を予測し、国内IT市場の構造変化は予測期間中も継続し、第3のプラットフォーム市場の2013年~2018年のCAGRは5.6%で拡大し、第2のプラットフォーム市場はマイナス2.6%で縮小に向かうと予測している。
ユーザー企業調査結果からは、まず大企業を中心に第3のプラットフォームを導入し、徐々に中堅、中小へと浸透していく構図が見られた。
特に第3のプラットフォームの4ピラー(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)のうちソーシャルメディアやモバイルの利用は小規模企業や中小企業においても進んでいることがこの調査で明らかになった。
また、利用率はまだ低いものの、自社の産業分野に固有の領域で、第3のプラットフォームが支えるテクノロジーの活用が広がりつつある。
発表の詳細は、IDCが発行したレポート「国内IT市場産業分野別 企業規模別 2014年下半期の実績と2015年~2019年の予測」に報告されている。