上位3社は、いずれも前年からシェアを拡大し、3社合計の出荷台数シェアは64.7%で、前年から2.2ポイント上昇した。また、ユーザー企業が直接ODM(Original Design Manufacturer)にサーバーを発注する、ODM Directの出荷台数シェアは8.0%で、前年から3.1ポイント上昇した。
2014年のx86サーバー市場は、円安の影響によるコスト増を販売価格へ転嫁したことや、サーバー仮想化の導入によるメモリーなどのオプション品搭載の増加によって平均単価が上昇し、出荷額が前年比7.8%増の3,147億円となった。一方、出荷台数は同0.8%増の56万6千台だった。
今回の調査では、x86サーバー市場をフォームファクター別、ソケット別、OS別といった製品カテゴリー別の分析と主要ベンダーごとのフォームファクター別、ソケット別で見たシェアの推移を分析した。
たとえば、1ソケットのタワー型サーバーの出荷台数シェアはNECが1位を占めているが、2ソケットのラックマウント型サーバーとブレードサーバーではHPが1位となった。
また、高密度型サーバーのカテゴリーでは、ODM Directの出荷台数が全体の半数以上を占めるなど、製品カテゴリーによってベンダーランキングが異なっている。サーバーベンダーは、自社の得意な製品カテゴリーのシェアを維持しつつ、現在シェアの低い製品カテゴリーの対策を取ることにより同市場におけるシェアゲインを狙えるとIDCではみている。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの林一彦氏は、「x86サーバー市場では、上位3社の出荷台数シェアの差が2012年以降3%未満で推移しており、シェア競争が激化している。また、ODM Directの出荷台数が急速に増加している。一方、これまで成長セグメントであったx86サーバー市場は、最新の予測では市場の停滞が見込まれており、サーバーベンダーは自社の得意分野を見極め、どの製品カテゴリーに 注力するか戦略を練ることが重要である」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行したレポート「2015年 国内x86サーバー市場競合分析」にまとめられている。