システムテストで使用するデータは、件数や容量が本番環境の実データと同様であっても、「データ値」が実データの内容や分布パターンからかけ離れていると、精度の高いシステムテストは行えず、カットオーバー後に想定外の障害が発生するリスクを排除できないという。
しかし、システムテストの精度を向上させるために実データを用いると、データの取り扱いミス等により個人情報の漏えい事故を招く危険性がある。
「Syncsort DMExpress 個人情報秘匿システム連携ソリューション」は、この相反する課題を解決するために、アグレックスとアシストは両社の製品を連携し、「データの値」を含めて本番環境さながらの精度の高いテストデータを短期間で効率よく生成するという。
このソリューションのエンジンとなるアグレックスの「個人情報秘匿システム」は、本番環境の実データをもとに、姓名を全く別の姓名に置き換える、住所を全く別の住所に置き換えるといったように、データ属性や特徴を維持したまま架空のデータを短時間で生成することができる。
個人情報を完全に排除した本番同等の高品質なテストデータにより、システムテストの精度向上と情報漏えいリスク低減を同時に実現するとしている。
また、アシストが提供する「Syncsort DMExpress」を組み合わせると、本番環境にある秘匿前のデータの取得から、高品質なテストデータの準備やデータベースへの格納までの一連のデータ処理を、スクラッチ開発することなくGUI画面を使ってノンプログラミングで作成できる。
多種多様なデータソースのデータを取得可能な点に加え、秘匿処理だけでなく、システムに必要なデータ処理をすべて「Syncsort DMExpress」に集約し、開発生産性と保守性を大幅に向上させることができるとしている。
また、本番環境のデータを直接「個人情報秘匿システム」に引き渡すことで、個人情報を含む入力データ(CSVファイル)の作成やテストデータを作成するための中間ファイルが不要となり、情報漏えいリスクを大きく低減するという。