「MySQL 5.7」では、性能と拡張性が向上し、次のような機能強化が行われている。
- 速度の向上:SysBench Read-only Point-Selectを使用した1,024の接続によるベンチマーク・テストでは、「MySQL 5.6」の3倍となる1,600,000QPS(1秒あたりのクエリー数)を達成。
- InnoDBの最適化:性能と同時実行性、オンライン操作、空間インデックス、ネイティブ・パーティショニングなどが強化。
- レプリケーション機能の強化:マルチソース・レプリケーションの導入、グローバル・トランザクション識別子(GTID)の改良、マルチスレッド・スレーブの強化により、性能拡張性と可用性が改善。
- オプティマイザの強化:新しいMySQLオプティマイザの動的なコスト・モデルにより、クエリの性能とユーザー制御が向上。
管理性に関しては、主に次のような点が強化されている。
- 新しいネイティブのJSONデータ型とJSON関数:スキーマレス・データの効率的かつ柔軟な保管、検索、操作が可能に。また、新しい内部バイナリ・フォーマット、SQLとの容易な統合のサポート、Generated Columns(生成列)を利用したJSONドキュメントのインデックス管理といった機能を強化。
- パフォーマンス・スキーマ:メモリ、トランザクション、ストアド・ルーチン、プリペアド・ステートメント、レプリケーション、ロックの計測が可能。
- MySQL SYSスキーマ:パフォーマンス、状態、使用状況、モニタリングに関する一般的な要件に応えるヘルパー・オブジェクトを提供。
- セキュリティの強化:容易かつ安全なインスタンス初期化、セットアップ、管理が可能。
- モバイル・アプリケーション向けのGIS(地理情報システム)サポートの強化:InnoDBでの空間インデックス、GeoJSON、GeoHashをサポート。
さらに、新しいMySQL Routerも一般提供が開始されるという。これは、MySQLデータベースにクエリをインテリジェントにルーティングすることで性能と可用性を改善し、アプリケーション開発効率を向上する。
また、MySQL Routerでは、各種の開発言語からのMySQL Fabricサポートも提供され、MySQLデータベース・グループの管理が容易になるとともに、データ・シャーディングの自動化を通じて高い可用性と拡張性を実現するとしている。