今回発表された製品の概要は次のとおり。
・エッジ向けの効率的なSoftware-Defined Storage「IsilonSD Edge」
新しいSoftware-Definedソリューション「EMC IsilonSD Edge」は、リモート オフィスやエッジロケーションにおけるデータ管理を優れたコスト効率で簡素化できるようにデザインされている。
これまでエッジ ロケーションには、費用、低容量、管理の複雑さ、異なる種類のPC環境の混在、スポット的な統制といった課題が存在し、エッジロケーションで情報を活用するユーザーの生産性と、データへアクセスして管理するIT部門の能力にマイナスの影響を及ぼしていたという。
100パーセントSoftware-Definedのソリューションである「IsilonSD Edge」は、コモディティハードウェアで稼働し、VMware ESXをサポートするとともに、VMware vCenterとの完全な統合によって簡単な管理環境を提供する。
また「IsilonSD Edge」は、「OneFS」オペレーティングシステムの能力に一切の影響を与えることなく、あらゆるデータサービスとプロトコルをサポートしながら36TBまで拡張が可能で、シームレスにデータレプリケーションやコアからのリストアを提供する。
「IsilonSD Edge」は、非本番環境向けに無償提供する予定で、本番環境での利用についてはクラスタごとのライセンス提供となる。
・コアを最適化する次世代オペレーティング システム「OneFS」
EMCはデータレイクをエッジロケーションに拡張するだけではなく、新しい次世代OS「Isilon OneFS」によって、その強化を実現するという。豊富な機能を提供する「Isilon OneFS」は、柔軟性が強化されているとともに、管理環境を簡素化し、効率を高め、大規模データレイクの継続的な稼働を実現する。
最新の「OneFS」の重要な機能強化の1つが、無停止アップグレード(NDU)のサポート。「OneFS」は、マイナーバージョンアップについてはNDUをサポートしてきたが、今回の最新バージョンからメジャーバージョンアップのNDUもサポートを開始したことで、データレイクの柔軟性が強化される。
このようなデータレイクの柔軟性の強化によって、大規模アップグレード時におけるユーザーやアプリケーション ワークロードのダウンタイムを確実に回避できるようになる。
次世代「OneFS」は、柔軟なソフトウェアアップグレードロールバック機能も提供し、ユーザーは必要に応じてアプリケーションやエンドユーザー環境をアップグレード前の状態に回復させることができる。これらの機能によって、インフラストラクチャの管理者はニーズに合わせて細やかに対応し、基幹環境におけるスムーズなユーザーエクスペリエンスと継続的なアップタイムを確保できる。
・クラウドへの拡張を実現するソフトウェアアプリケーション「CloudPools」
コアとエッジに重点を置いたこれらのソリューションに加え、EMCは「Isilon」製品ラインの新しいソフトウェアアプリケーション「EMC CloudPools」を提供する。「CloudPools」によって、「Isilon」をパブリック クラウドやプライベートクラウド、ハイブリッドクラウドへ簡単に拡張することが可能になる。
エンタープライズ環境内にあるデータの大部分はほとんど使われないデータ、すなわち「コールドデータ」だが、企業はこのようなデータも法定上の要件およびコンプライアンスの目的から維持管理しなければならない。
「CloudPools」によって、「Isilon」をAmazon Web ServicesやMicrosoft Azure、Virtustreamなどのパブリッククラウドへネイティブに拡張することができる。クラウドゲートウェイは必要なく、また、「CloudPools」によってデータセンターを「EMC Elastic Cloud Storage(ECS)」に拡張し、「Isilon」をプライベートクラウドとして活用することもできる。「Isilon」はコアネームスペースをクラウドに拡張することで、場所に依存しないデータアクセスを実現する。
クラウド環境におけるエンタープライズデータのセキュリティ確保のため、クラウドへ階層化したデータは伝送時に暗号化、圧縮される。このようにしてセキュリティが確保されるため、企業はデータレイクをクラウド規模の容量に拡張しながら、一貫したデータへのアクセスと管理を簡素化可能になる。