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今後3年間の活動がIT部門ソーシングの分水嶺に――ガートナーがソーシングとITサービスの展望を発表

 今回発表された、ガートナーによる日本のソーシングとITサービス領域の重要な展望は次のとおり。

2019年までにアウトソーシング指向の3社に1社程度が「戦略パートナー」を入れ替え

 日本企業のITリーダーの多くが、IT支出を可視化/最適化しつつ、経営層や利用部門が期待する成果を示す必要に迫られている。おのずと、ITサービス・ベンダーとの関係にも合理性・妥当性が求められるようになってきた。最良のITサービス・ベンダーを選定し、そのパフォーマンスを最大限に引き出せるかどうかが、IT部門のプレゼンスにさえ直接影響し始めている。

 ガートナーが2015年に実施した各種の調査でも、ITサービス・ベンダーとの戦略パートナーシップの確立が、CIOやITリーダーにとってソーシング戦略上の大きな課題となっていることが判明した。

 しかし現状では、多くのIT部門にとって「戦略パートナー」が意味するものは、属人的な見解に基づいているか、長い取引期間などから半ば惰性化した関係となっているか、あるいは場当たり的な取引となっているかのいずれかである可能性が高いとガートナーでは分析している。

 今後は、社内のステークホルダーからの圧力や自助努力により、ソーシング戦略を是正/改善していくIT部門が漸増すると期待できる。「戦略パートナー」の入れ替えの動きが広がることは、IT部門にとってプレゼンスを高める一助になる一方、ベンダーにとっては機会と脅威が共存する状態を生むことが予想される。特に伝統的な大手/準大手のITサービス・ベンダーにとっては、競争優位性の再定義が重要課題になると思われる。

フルスコープ型アウトソーシング契約はユーザー/ベンダー双方にとってリスクが大きい

 日本におけるフルスコープ型アウトソーシングは、1990年代後半から2000年代前半にかけてブームになった。このモデルは、ユーザー企業とベンダーの双方にとって契約期間の長さや硬直化によるリスクが大きく、満足度を高めにくいことが指摘されている。それにもかかわらず、現在でも毎年一定の割合でフルスコープ型アウトソーシングの契約が締結されている。そのうち50%近くは、ほかに選択肢がなく、「消去法」の結果として選ばれているとガートナーでは推察している。

 今後、日本ではハイブリッド・クラウドの進展、大規模なシステム統合案件やシステム更改の一巡に伴う人材の需給状況の変化、ITサービス・ベンダーによるサービスの提供技術の革新など、アウトソーシング環境におけるさまざまな変化が見込まれる。その結果、分野によっては、稼働率、生産性、単価などの現在のフルスコープ型アウトソーシング契約の根拠の妥当性が失われることが予想される。

 また、現時点で最適と判断された技術基盤が陳腐化したり、普及前に他の技術基盤に置換されたりするケースも発生すると思われる。契約時点ですでに目標の実現が危うい場合、中長期的にはシステム最適化への投資やデジタル・ビジネスへの対応力で差が生じるなど、IT部門に大きな課題が突き付けられることになると、ガートナーでは考えている。

2019年までに、3社に1社以上がフロントオフィス・アプリの開発/運用にIT人材を配置

 現在、マーケティング/営業/CRM/E-Commerceなどのフロントオフィス・アプリケーションを中心に、アナリティクスやモノのインターネット (IoT) といったデジタル・テクノロジを取り入れる機運が高まっている。

 このとき要となるのが、実行部隊としての人材だ。ガートナーが国内企業に対して行ったインタビューでは、マーケティングや販売部門を中心に、ITスキルを備えた人材を独自に確保する動きが見られた。一方で、IT部門からも、特にフロントオフィス・アプリケーション関連のIT人材を、既存チームに固定せずにローテーションさせる意向が聞かれる。

 IT人材の配置の多様化は、彼らの活動そのものだけではなく、求められるスキルとその評価基準にも変化をもたらす。事業部門との定期的かつ頻繁な交流を通して、フロントオフィス業務に深く関与することにより、IT人材およびIT部門の社内での存在感が増すことが期待できる。

 同時に、ITサービス・ベンダーへの期待が変化し、役割分担の整理が進むとガートナーでは見込んでいる。IT部門や事業部門の計画を効率的かつ安価に実現するプロバイダーと、計画そのものを「パートナー」として共創するプロバイダーの峻別が進むことも予想される。

 ここで紹介した展望の詳細、および、今回発表された他のソーシングとITサービスの展望は、ガートナーの「ジャパン・コア・リサーチ・アドバンス」プロダクトの顧客向けレポートとして発行されている。

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