現在、多くのFinTechサービスは、画面情報のやりとりで銀行システムとの連携を図っている。また、利用者がインターネット・バンキングのIDとパスワードをFinTechサービスに登録することで、銀行取引データとの連携を図っている。そのため、FinTechサービスとの連携においては、銀行システムの仕様変更への迅速な対応、セキュリティーの確実性、アプリケーション開発の生産性といった課題があるという。
「FinTech共通API」は、FinTechサービスと既存のインターネット・バンキングをアプリケーション間で接続し、残高照会、入出金明細照会、口座情報照会といったインターフェースを含むAPI群。また、APIの標準化を推進している「BIAN(Banking Industry Architecture Network)」の仕様に基づいており、オープンかつ汎用的なことが特徴だという。
「FinTech共通API」を利用した場合、画面情報のやりとりではなくアプリケーション間を接続するため、銀行側の画面変更にFinTechサービスが即座に対応できずエラーが発生するといったことがなくなり、利用者の利便性が向上する。
また、FinTechサービスと各銀行のサービスとのインターフェースを個別に設計する必要がなくなり、開発に関する時間とコストを削減できるという。セキュリティーについては、オープンな認証プロトコル「OAuth」により、利用者のIDやパスワードを銀行が認証した上で、FinTechサービスの利用を許可する仕組みとなり、セキュリティーが強化されるという。
「FinTech 共通API」は、IBMのAPI作成・管理・運用ソフトウェア「IBM API Connect」と「IBM DataPower Gateway」により提供されるオープンな認証プロトコル「OAuth」と連携し、強固なセキュリティーを実現するとしている。
「FinTech共通API」は、銀行が新たなFinTechサービスを容易に試せるテスト用APIとして「チャレンジ・スタブ」やFinTechアプリケーションのデータを各銀行向けのデータに変換する機能「データ・マッピング」も提供する。
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- この記事の著者
-
EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア