ユーザー部門が独自のストレージ予算を持つ割合は大企業では54.1%
この調査では、2016年2月にWebアンケートを実施し、700社から回答を得た。700社の内訳は、大企業(従業員数1,000人以上)314社、中堅中小企業(同1,000人未満)386社だった。
IT予算(ストレージ予算含む)をIT部門だけではなく、ユーザー部門で持つケースが増えている。今回の調査でも大企業の54.1%、中堅中小企業の42.0%が、IT部門とは別にユーザー部門が独自のストレージ予算を持っていると回答している。
実際にユーザー部門が持つストレージ予算の支出用途では、大企業、中堅中小企業とも「外付型ストレージシステム」「NAS(ストレージベンダー製品)」「NAS(PC周辺機器ベンダー製品)」「ストレージソフトウェア」「ストレージに関する導入/構築サービス」が回答率の上位5項目だった。
ユーザー部門は、独自のストレージ予算を持っていますが、まだオンプレミス環境に対する支出の割合が高いことが分かった。 一方、ユーザー部門のクラウドサービスに対する支出も増加しており、「パブリッククラウド」と「(事業者提供の)プライベートクラウド」に対する回答率は、大企業では共に18.2%、中堅中小企業ではそれぞれ19.1%、15.4%の回答率であった。
「ユーザー部門、IT部門、ベンダーの3者の協業の重要性が増す」
ユーザー部門が独自のストレージ予算を持っている企業に、ユーザー部門のストレージ予算が今後増加するかについてたずねたところ、大企業では「増加する」が60.6%、「横ばい」が28.8%で、中堅中小企業では「増加する」が56.8%、「横ばい」が29.6%だった。
また、「減少する」という回答は、大企業では8.8%、中堅中小企業では12.3%にとどまった。ユーザー部門のストレージ予算が増加する理由としては、大企業、中堅中小企業とも「ビジネス要請を迅速にシステムに反映する」「ユーザー部門の業務知識を必要とする案件の増加」「ユー ザー部門の市場での競争力を強化する」が上位3項目だった。
IDC Japan エンタープライズインフラストレクチャ/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「ビジネス要請への迅速な対応や、市場での競争力強化を目的にユーザー部門のストレージ予算の増加は今後も続いていくと予測される。今後のストレージインフラ構築ではユーザー部門、IT部門、ベンダーの3者の協業の重要性が増す」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2016年 国内ストレージ需要動向調査:第3のプラットフォームが与える影響」にその詳細が報告されている。