2015年のビジネスコンサルティング市場は前年比8.6%増の3,389億円と高成長
戦略、業務改善、財務/経理、組織/人事変革、リスク管理などの分野で提供されるビジネスコンサルティング市場の2015年の支出額は、前年比8.6%増の3,389億円と高成長を遂げた。一方、IT戦略およびIT業務コンサルティングの2分野で提供されるITコンサルティング市場の支出額も、前年比3.9%増の3,074億円と堅調に拡大した。
IDCでは、クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、モビリティ、ソーシャル技術の4分野で構成される「第3のプラットフォーム」上において、IoTや認知システムといった「イノベーションアクセラレーター」により、企業や産業の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が起こることを提唱している。
今回の調査では、DXが国内コンサルティングサービス市場に与える影響を把握するため、第3のプラットフォームの導入/活用に関わるコンサルティングプロジェクトを「デジタル関連コンサルティング」と定義し、その市場予測を行った。
具体的には、デジタル戦略策定、デジタルマーケティング、顧客体験のデザインやサービスイノベーション、デジタル技術を活用した新製品/事業の創出や業務プロセス変革、アナリティクスサービス、デジタルアプリケーション設計、サイバーセキュリティといった多様なオファリングが事業者から提供されている。
「デジタル関連」コンサルティングは2015~20年に年間平均25.6%の急成長を予測
調査の結果、ビジネス/ITコンサルティングの両市場で、顧客のDXを支援する案件が成長の主要因の1つとなっており、事業者各社の成長戦略の中核となっていることなどから、デジタル関連コンサルティングは2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)25.6%で拡大し、2015年の市場支出額852億円から2020年には2,663億円になるとIDCでは予測している。
国内コンサルティングサービス市場は、前記のDX支援や国内企業のグローバル化支援といった活発な需要を背景に成長を続け、2015年~2020年のCAGRは3.8%で、2020年には7,773億円に達するとIDCでは予測している。
IDC Japan ITサービス シニアマーケットアナリストの植村卓弥氏は「DX支援コンサルティングでは、案件の進め方、求められるコンサルタントのスキルセット、顧客との関係性といった様々な点が従来型コンサルティングから大きく変化する。事業者はこの変化を理解し、デリバリーモデルあるいは収益モデルを再考する必要がある」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内コンサルティングサービス市場 セグメント別/産業分野別 2016~2020年の予測:企業のデジタル化が市場にもたらすインパクト」にその詳細が報告されている。