「モビリティイニシアティブ」には、4月に米国で開催された「ISC West 2016」で初めて公開され、運転免許証などのIDをスマートフォンに搭載可能とする新しいモバイルID用HID goIDプラットフォーム、建物へのアクセスにスマートフォンだけでなくスマートウォッチやタブレットを使えるように拡張されたHID Mobile Accessなどの最新のモビリティソリューションが含まれているという。
「モビリティイニシアティブ」を構成する主な新ソリューションは次のとおり。
・モバイルID用HID goIDプラットフォーム
モバイルの国民IDというビジョンを実現するための重要なステップ。モバイルID用HID goIDプラットフォームを用いることで、国や地方自治体は運転免許証、パスポートなどのIDドキュメントのためのクレデンシャルを無線ネットワークを通じて市民のスマートフォンに発行することができる。また、スマートフォンをオールインワンのセキュアクレデンシャルおよびIDリーダーとして使うことができるようになるため、入国管理などでIDリーダーが不要になる。
・HID Mobile Accessの新機能
スマートフォンに加え、Apple Watch、Android Wear、タブレットをドアやゲートの鍵として使用できるようになる。新しいHID Mobile Access Portal and Appのソフトウェア開発者キット(SDK)により、パートナーとエンドユーザーは、企業のバックエンドシステムに完全に統合できる、革新的でカスタマイズされたモバイルアクセスソリューションを開発できる。
・新たなHID Professional Services
コンプライアンス、セキュリティおよびリスクの管理ニーズに応える新しいサービス。データ、クラウドアプリ、Webサービスへの安全なアクセスを実現するモバイルアクセス、および強固な認証ソリューションを設計および実装するための専門的な技術を提供する。
「モビリティイニシアティブ」の主な拡張施策は次のとおり。
・企業における強固な認証の利便性を向上
ActivID Tap Authentication for Microsoftを使えば、ユーザーはスマートカードをラップトップ、タブレット、携帯電話、その他のNFC対応デバイスにタップするだけで、Office365やその他のクラウドアプリとWebサービスに簡単に、かつ使いやすくアクセスできる。
・より効率的かつ安全なバンキングエクスペリエンスを構築
ActivID Trusted Transactionsのモバイルプッシュ通知は、スマートフォンをセキュリティトークンにすることで、PIN番号をパスワードを入力したり認証のための質問に回答する手間をなくす。
・新しいIoTアプリケーションを可能に
HID Trusted Tag Servicesにより、NFCトランザクションの信頼性が強化され、これまではリスクに対する脆弱性があったり、単に実現不可能だったようなIoTアプリケーションを利用できるようになる。たとえば、警備員に代表される「ローンワーカー(単独で業務にあたる人)」が、自分がいるべき場所にいることを確認することができる。
・戦略的パートナーシップと買収などによりモビリティポートフォリオを強化
Samsung、NXPおよびその他の業界大手企業とのパートナーシップにより、モバイルソリューションの採用を推進。HID Globalは、Lumidigmを買収して生体認証能力を拡張し、Quantum Secureを買収して複数のサイトやシステムにおけるセキュアID、コンプライアンスおよび運用分析を管理する統合物理セキュリティポリシープラットフォームを追加しアクセス管理を自動化する機能を提供。
HIDGlobalは、テキサス州オースティンに本社を置いており、サービス提供市場として、強力な認証・証明管理を含む物理・論理アクセス管理、カードの印刷とカスタマイズ、訪問者管理システム、高度な安全性を持つ政府・市民向けID、動物IDや産業・物流アプリケーションのための身元確認向けRFID技術などがあるという。
なお、HID Globalは7月13日から15日にかけて東京ビッグサイトで開催される「オフィス セキュリティ EXPO」に出展する。