2015年は前年比28.2%増の97億円の実績
2015年の国内EMMソリューション市場は、前年比28.2%増の97億2,100万円となった。企業におけるモバイルデバイス活用の拡大に伴い、モバイルデバイスのセキュリティ対策や運用管理の効率化を図るために、EMMソリューションを導入する企業が増加している。
クラウド型サービスは、前年比28.1%増の68億3,700万円となった。クラウド型サービスは、低コストで導入しやすいため、中小企業から大手企業、学校など幅広く利用されている。
パッケージソフトウェア市場は、前年比28.3%増の28億8,400万円となった。パッケージソフトウェアは、クラウド型サービスでは対応できない管理機能のカスタマイズや高度なセキュリティ機能を必要とする大手企業での導入が中心となっている。
今後、クラウド型サービスがパッケージソフトウェアよりも高い成長率に
2016年の国内EMMソリューション市場は、前年比24.0%増の121億円となり、100億円を突破するとIDCでは予測している。2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は19.0%、2019年には200億円を超え、2020年には232億円に達すると予測している。
クラウド型サービス市場は、同CAGRが20.4%で2020年には173億円、パッケージソフトウェア市場は同CAGRが15.3%で59億円になると予測している。企業の規模によらず、幅広い顧客層で利用されやすいクラウド型サービスの方がパッケージソフトウェアよりも高い成長率になるとみている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「現在、多くの企業ではデバイスに対する管理を目的としたEMMの利用がほとんどであるが、徐々に企業のモビリティソリューションがモバイルアプリケーションの活用フェーズに移っており、セキュリティや管理に対する要件が高まっている傾向にある。これからのEMMソリューションの選定では、モバイルアプリケーションの管理とセキュリティが最も重要な選定項目になっていくであろう」と述べている。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内エンタープライズモビリティ管理ソリューション市場シェア、2015年:モビリティニーズの多様化がベンダーの成長を加速」と「国内エンタープライズモビリティ管理ソリューション市場予測、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。